プロローグの一文目を読めば、興味を引かれずにはいられない。
文明崩壊後の世界に「マドリマ粒子」という概念が持ち込まれた物語は、序盤から活発な動きがあり、すぐに引き込まれました。
いたるところで発見する文章テクニックと、壮大なイマジネーションに感服するままに読み進めながら、たしかな人間ドラマに触れるたびに何度も胸を打たれました。
荒廃した東京の描写はドキュメンタリーで観た戦後の日本を個人的に思い出し、そんな暗喩も予感させる懐の深さがある。
個人的にはルビの振り方のセンスに惹かれ、とても学びの多いものを感じました。
愛の形や生命のあり方についても考えさせられる、希望あるディストピアの物語です。