概要からの引用
大陸のはるか果て、雪と氷に閉ざされた極寒の地に粗末な小屋がひっそりと建っている。
小屋に暮らすのは母と娘の三人だ。
母は娘たちのために一冊の分厚い本を読み聞かせている。(引用終わり)
こちらの物語は長編のさわりとして書かれております。
特徴的な「詩的表現」と「人間ドラマと物語性」が香り立つように綴られた素敵な作品です。
この極寒の地、雄大な自然からみれば小さな小屋、そこでの小さな親子の語らいの時間からの始まり。
広大な闇にささやかなろうそくを灯す様なこの小さなオープニングの世界は、対比してこれから始まる壮大な物語を想像出来ます。
一般的に「異世界ファンタジー」の作品群とは、確実に隔たりのある作風。筆者様の強い拘りがあると感じられます。
僕はこちらの作品を想像するに、かわいいイラストで表紙を飾った文庫本でなく、分厚くて重く、タイトルと著者名だけが書かれた洋書風な単行本を思い浮かべます。
そして、子供の頃に図書館で本を探す時に、整然と並べられた背表紙を眺め、長いタイトルでないのに、何故か心惹かれてしまうタイトルの本。
あの時の感覚、その本が持つ魅力である「何か」を見つける感覚。
こちらの作品は、その頃の感覚を思い起こさせる「何か」が存在しているのです。
お勧め致します。
テンプレ化していない独自の世界観に基づいた本格派ファンタジー、短編ながらもそこにある拘りが詰まっている作品です。皆様の「わくわく」を強く刺激するかと思います。
宜しくお願い致します( ;∀;)