投稿サイト界隈ではしばしば見かける童女ファンタジーは、母性全開、つまり、女子限定のものが多い。別にそれが悪いという訳ではないのだが。
本作、男性である私にも面白く読めた。なぜだろうと想い、分析してみた。そもそも主人公が大人びているというのもあるのだが。大きくは、地の文に作者の視点をにじませる描き方にあるのだと想う。
地の文に作者の視点を含めるというのは、歴史小説にては多く用いられる用法で、これは歴史小説というのが根本にして読者の歴史に対する興味があって成り立つものであるからであり、ならば、現代の視点から歴史時代を語るということが望まれ、ゆえに作者視点で語るということになるのだが。分かりやすい例をあげると、戦国の世の人物に現代の視点で語らせることはできないので、そこは作者がとなる訳である。
本作はファンタジーであるにもかかわらず、あえて、作者は地の文に自らの視点をにじませる。歴史小説と異なり必ずしもそれが必要という訳でもなければ、その按配は難しく、作品の質に直結する。それを知ってなお、というのが剛腕と記す所以である。
魔法こそが至高。
そんな世界で「魔力ゼロ」の烙印を押された王女・ノアコ。
絶望に沈むかと思いきや、彼女の脳内に響いたのは精霊の囁きではなく……
「着弾確認。爆発規模、目標に一致」
……え?
空から降ってきたのは、伝説の魔法か、それともオーバーテクノロジーの質量兵器か?
「税金並みに甘えの無いピンチ」をくらいながら、したたかな商魂とロストテクノロジーで切り拓く。
この知的なギャップが、刺激的!
読めば読むほど、ファンタジーの皮を被った極上のSFミステリーが顔を覗かせます。
謎の声の正体は、そして彼女が掴む未来は――。
ポジティブ王女の爽快で少し不穏な成長譚。
SF好きもファンタジー好きも、きっとこの世界観の虜になるはずです。
設定が練り込まれており、考察が楽しくなる作品です。一章中盤から後半には、魔法で動くロボットのようなものも登場し、戦闘シーンも大迫力で魅力的です。
滅びてなお、大きな影響力を持つ先史文明。
主人公である、ノアコアード王女が住むアキアル王国は、魔法、魔獣、勇者などのファンタジックな世界であることが読み取れます。そのため、魔法を使えることが王族のステータスとなっており、魔法を使えないノアコアード王女が無能と呼ばれる理由がそこにあります。
一方先史文明では、凄まじいテクノロジーが発展している科学の時代であったことが、作中から推察できます。先史文明の遺物は、先史文明遺跡、通称「遺物鉱床」と呼ばれており、知的財産としての価値の他に、実用物としても扱われています。
現行世界の魔道具というアイテムには、この遺物鉱床から出土した先進遺物が使われていると説明されています。
これほどのテクノロジーを持つ先史文明が、なぜ滅びてしまったのか。
考えれば考えるほど、想像が膨らみ、面白さでページをめくる手を止められませんでした。
また「看板娘ノアコ」、「ノアコアード王女」、「商人ノアコ」など、たくましく、そして聡明に成長する王女様の姿も見どころです。
妹イクシス王女とのやりとりも微笑ましいです。ずっと仲良しでいてほしいですね。
個人的には、精霊の声と会話ができるようになり、いちいちややこしい話し方をしてくる精霊の声と王女のやり取りがコントみたいで面白かったです。
あと迷臣ストッカおじの、「なんだこの人胡散臭いな」→「やるじゃんストッカおじ」→「やっぱり胡散臭いか?」→「おお! すごいよストッカおじ」の以下ループが発生しました。とても味のある面白い人だなぁと思いました。
これからもストッカおじの活躍を期待しております。
素晴らしい作品を生み出して下さりありがとうございました。
72話まで読んだ感想です。
まず、とても応援したくなるノアコの主人公像が素晴らしい。
王女という立場。そして魔力なしだから仕方がないと現状を憂たり甘んじることなく、自身のやれる力で生きようと頑張る姿勢がこちらにもやる気と勇気が湧いてきます。
個人的に人と情を大切にしながらも、商人や王族の立ち回りとして戦略的に利用できるものは利用するというある種、利己的な部分が垣間見れる所も好きですね。
工房でお世話になるオッドロウやその夫人のキャラも立っていて愛着が湧きます。
商人見習いとして未熟なノアコを指導しながらも家族のように暖かく愛を向けるその姿が微笑ましいです。
また、魔法や先史文明の超科学の描写も作りこまれながら、変に複雑過ぎず、だけどそれらの謎を探りたくなるような描写。
商談のやり取りも骨太で見ているこちらも「そう来たか」と感じる部分が多いです。
ですがこちらも読者を置いてきぼりにすることなく、作品全体として読みやすい文章となっております。
既に2370近くの☆を貰い評価されている作品ですが、もっと沢山の人に知られ、書籍化までに漕ぎつけて欲しいと強く思いました!
いつかはアニメ化もして欲しいな~。
主人公は、王族に生まれながらも魔力がなく、王族貴族社会から疎まれる存在となってしまった王女ノアコアコード。
彼女は、自分はここにいるべきではないと、幼い子どもながらもその事実を受け入れ、商人として生きる道を模索し始め、そして、とある先史文明の遺物との出会いが、彼女の運命を大きく変えてゆきます!
遺物を手に入れてからの活躍は、読んでいただいた方がわかりやすいとして、個人的にはノアコアコードを囲む周囲の人たちが好きです。
変わり者と評されるも広い視野で助言をする叔父、彼女が最初に修行することになるお店の大魔導師など、彼らは大人として、困難な道を進もうとするノアコアコードに現実的な問題を示しながらも助言をし、協力してゆきます。
果たして、ノアコアコードは立派な商人となれるのでしょうか?
ぜひ、読んでみてください!
人は弱い。猛獣に襲われたらひとたまりもない。。
現実世界でも、熊に襲われてなすすべもなかった事件が大きく報道されている。
そんな人間が、これほど繁栄出来たのか。それは道具を使えたからだ。
この物語の主人公は、魔法が存在する世界でその力を行使することが出来ない。
ただの一市民ならともかく、王族としての立場でそれが許されるのか。無力で、そのまま血筋だけのただの道具で終わったしまうのか。
それに対して、最初に既に答えは出ていた。
別の才覚で示せばいい。
弱い人間が生きていくために、道具を求める。
道具を作ること、流通させること、それが安定して行えるのは、『商業』が発展している必要がある。
それを踏まえたうえで、この物語は『力をもたない存在』が『外部から力を補完する』方法をロジカルに書いている。
ファンタジー、幻想が当たり前のように存在することもまた魅力であるが、その幻想に対して『社会』と言うフィルターを加えて筋を通りしている。
主人公が商いを武器にするのも、それをよく強調している。
ファンタジーに対して現実的な骨組みを求める人に、おススメです。