棺桶ひとつから、銀河の真実が動き出す

宇宙を駆ける「運び屋」というロマンある職業設定に、
「棺桶の中から物音がする」という不穏すぎる導入で、引き込まれました。

本作の魅力は、単なるSFアクションではなく、
「運ぶ」という行為が、想いや過去、封印された真実まで運んでしまう
という点にあると感じました。

遺体輸送という禁忌に足を踏み入れた瞬間から、物語は静かに、しかし確実にスケールを広げていきます。
〈エコー〉事件へと繋がる展開は、導入の不安感を裏切らない緊張感がありました。

セレスティナとAI〈リリス〉、輸送船レムリアスという相棒たちの存在も心強く、
サスペンスの中に「仕事としての矜持」が感じられるのもすごくよかったです。

SFが好きな方はもちろん、
「誰かの想いが、思わぬ形で未来を動かす物語」が好きな人に強くおすすめしたい一作です。

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