ひょんなことから預かることになった幼子ミラ。
そんなミラの病を治すために、器用貧乏、通風持ち、老眼という、息切れするやらなんやらと、いろんなハンデを持ちながら、現役を引退した四十代おっさんトリオたちがやって来たダンジョン。
そこで繰り広げられるのは、異世界転生してチートスキルもらってサクサク楽勝のテンポの良い展開ではございません。
常に必死です。若さで力押しでできたことができなくなった中でも、創意工夫で一階一階ダンジョンを攻略していく、泥臭い展開盛りだくさんです。
そんな中で、紅一点。少女ミラが空気を読まずにガンガン中年おっさんたちの心を抉っていきますが、そんなミラですら心抉られる展開が待っています。
後半終わり十数話。これでもかときつい展開が待っていますが、是非ともこのパーティの絆と信頼の強さを追って欲しい!
人間関係が希薄な現代だからこそ、心揺さぶられる物語ではなかろうかと思わせる物語です。
ボスを攻略したあとの飯テロも是非、堪能して頂きたい物語です。
息切れ、痛風、老眼。
普通なら「引退理由」にしかならない弱点を、物語の軸に据えた異色の冒険譚です。
本作が面白いのは、「若返りチート」も「レベルアップ補正」も「転生ボーナス」も使わず“衰えたままの身体”でどう戦うかを描いている点にあります。
できなくなったことを嘆くのではなく、「今の自分で、どう戦うか」を考え続ける中年たちの姿が、とにかく格好いい。
中年専用ダンジョン《老齢の塔》という設定も秀逸で、年齢という現実を“物語の武器”に変えてしまう発想力に唸らされました。
笑える場面も多いのに、読み進めるほど「生き方」や「諦めないこと」について突きつけられる構成は、若さを売りにしない冒険譚ならではの深みがあります。
「もう若くない」人も、「これから若くなくなる」人にも、きっと刺さる――そして「それでも、まだ終われない」と思わせてくれる、とても熱いファンタジーです。
かつて「中の上」程度の冒険者として三十で穏やかに引退したとある剣士の物語です。彼は、誰とも深く関わらないまま空虚なスローライフを送っていました。ところが、縁あって幼い孤児少女を引き取ることになり、人生が大きく変わっていきます。二人が共に暮らしはじめて十年後、少女は十六歳に成長します。ところが彼女がとある難病と診断され、余命わずかと告げられてしまいます。彼は仲間たちととあるダンジョンに挑むことになります。ところが… 痛風で走れず、老眼とドライアイで詠唱に時間がかかり… さあ老いと向き合いながらどう少女を助けていくのか(って、まだ40代前半だけど…)!?続きはぜひみなさんでおたしかめあれ。
愛娘の病を治すべく、35歳以上でなくては入れない〝老齢の塔〟に挑むことを決めたダリウス。
彼はとっくの昔に引退していたかつての仲間たちに声をかけ、再びパーティを結成する。しかし全員40代にさしかかったメンバーたちは、体力は衰え、老眼が進み、痛風で動けなくなったりと、日常生活はともかく戦いとなれば致命的になりかねない状態であった……諦めずに試行錯誤を繰り返す彼らだったが、果たして無事に塔を攻略することができるのか……!?
語り口は読みやすく、それぞれの登場人物の心理描写もしっかりしており、老いに伴う変化による笑いと現実味が大変絶妙なおすすめ作品です。
老眼、息切れ、痛風。
冒険者としては致命的な”三重奏”を抱えた中年パーティと、コメディの申し子であると同時にシリアスメーカーでもある一人の少女が織りなす物語です。
主人公が少しずつ成長していく物語は読んだことがありますが、この作品はそれらとは一味、いや四味違います。
「こんなおっさん嫌だなー」と笑えるシーンや、多くの死線をくぐりぬけてきたからこその言動に魅せられるシーン。そして何より、彼らのとても強い絆にじーんとさせられるシーン。
多くの魅力が詰まっており、読めば読むほど、めちゃくちゃ面白くなっていきます!!!
『全盛期はとっくに過ぎた。でも、”今が一番強い”と言えるまで。』
かつて最強と謳われた男たちが”老い”を受け入れつつ、限界を超えるまで努力し続ける姿からは、学べるものが多くあります。
「本気になるのはダサい」
そんな臆病な風潮が散見される若者世代や諦め癖のある方に、この作品を読んで熱い気持ちになって頂きたいです。
是非、ご一読くださいませ!
最近、主人公が中年以上のオジサンものが一種の流行りですが、こちらの作品はそんじゃそこらの作品とは違い、ガチな老齢の冒険者達が中心となります。
息切れが酷くて腰が爆弾持ちだったり、老眼で霞みがちな視界な上に集中力が減退していたり、アルコール中毒で尿酸値の高さから通風の痛みが襲ってくる。
しかも精神面でも、若かったならばノリで行けてた勢いが保てなかったり、考えに柔軟性が欠いてしまったりという、明確な〝衰え〟がてんこ盛り。
旅路や戦闘中でもそれらが都合よく治る事もなく、常にそれら爆弾を抱えたままというのが、非常に生々しい。
しかし、自分達がそういう〝衰え〟を自覚した上で、なお真正面から困難に立ち向かう姿がとにかくアツイ!!
タイトルからギャグものと一瞬思ってしまうものの、綿密な世界観やキャラ設定に裏付けられた、濃密な冒険譚を是非とも、ご堪能あれ!
それと、作中で野営する加減で度々料理をする場面があります。
文字だけなのに、とても美味そうな料理描写と、キャラ達のリアクションも別の意味でこの作品を盛り上げる要素なので、この点もお楽しみ下さい。