私は黄金時代の英国ミステリーが大好き。
だから本作も、霧のロンドンへ旅するような気分で、ウッキウキで拝読しました!
漂う空気感、散りばめられた小物、登場人物たちの小気味よい台詞……まさに「好き」が凝縮された一作です。
主人公は若手記者のウォルター。
ある日の朝、世捨て人のトレンブル氏から奇妙な電報が届きます。
『ユーレイ トラエタ スグニコイ』
幽霊と交信できる(らしい)、風変わりなトレンブル氏。
彼が暮らすのは、都市部から50マイルも離れた荒野に佇む古びた屋敷。
ウォルターが期待と不安を胸に駆けつけると――
幽霊屋敷を舞台に繰り広げられる、怪奇、恋愛、そして復讐劇。
軽妙な語りと、どこか憎めないキャラクターたちが物語を軽やかに牽引し、ラストには鮮やかな驚きが待っています。
英国情緒を愛する方も、物語世界に浸りたい方も。
ぜひ、ファラドゥンガ流ミステリー・ティータイムを!
すごいです!
時代は少し古めかしさのかおる近代のイギリス。イギリスといえばミステリーと幽霊!
タイトルにもなっているトム・トレンブル氏はとても気難しい性格で、それに振り回される新聞記者がいて……なんて構図も楽しげであるあるーと思っていたら、またその新聞記者の彼も負けじと強烈な行動力を発揮していきます
描写一つ一つがとんでもない行動をするキャラクターたちであるというのに納得感のあるリアリティさでグッと魅力的!
その中で自然に盛り込まれた描写は、あとあと物語が進むにつれてしっかりと効いてきます
わたしは数回読み返して、あっと新たな発見をいくつも見つけました!
短編ながらどんでん返しも含めて気持ちよく楽しめる物語、ぜひご一読ください
幽霊捕獲の一報から幕を開ける本作は、ミステリやロマンス、コメディ要素を載せたゴシックホラーである。
ハングリー精神旺盛な記者・ウォルター氏は、降霊術に傾倒した狂人・トレンブル氏の体験を聴取するため彼の屋敷を訪れた。
そこでウォルター氏はトレンブル氏が狂人と呼ばれるきっかけを作った事件の真相と、トレンブル氏の気持ちに触れることになる。
ホラー好きなら嬉しくなってしまうであろうポルターガイスト現象や、各所に撒かれたフックが誘うミスリードに胸を高鳴らせている段階も心地好いが、真実が明かされる段階に至ったなら、それまで以上の爽快感をおぼえることだろう。
2人の関係性の変化も見逃せない。
箱に捕まったのは?事件の真相は?そしてこの話の結末は?
少しでも興味が湧いたなら、さび付いたドアノッカーを叩いてほしい。
出迎えてくれるのが人間とは限らないかもしれないが。
十九世紀イギリスの降霊術を題材にした物語——まるで翻訳されたヨーロッパ・ゴシックホラーを読んでいるような没入感でした。
しかし読み終わりは決してドロドロせず、むしろ不思議と爽やかな余韻が残る。その感覚がとても新鮮でした。
トム・トレンブル氏は本当に降霊術を行っていたのか。
そしてウォルターは、霊の望むとおりに怨念を晴らしたのか——。
一度読み終えたときに「え? どういうこと?」と立ち止まり、二度目でようやく“構造”が見え、三度目で深い納得に至る。
そんな緻密さと読み応えのある作品でした。
トム・トレンブルとウォルター、
この二人が幽霊怪奇の世界で活躍する物語を、これからも楽しみにしています!
ホラーに「狂人」と聞くと、ワクワクとしたものを感じてしまいます。
理性を失う前の姿、狂ってしまったとされる背景事情、そして普段の狂った言動、そして奇怪な真実との整合性。
そこに悲劇が感じられ、納得して同情し、そして物語を劇的に変えるカギとなる存在、それがホラーにおける「狂人」です。
本作は、そんな「ホラーにおける狂人」を見事に描いています。
彼が狂ってしまう前の栄光ある姿、そして狂う原因となってしまった悲劇、落ちぶれ果てた現在の姿、それでもなお真実を見つめ続ける精神性。
まさに「かくあるべし」な狂人です。
そんな見事な「狂人」によって回される本作もまた、コンパクトでありながら二度三度と読まされる技巧派な一作というわけです。
どうぞ、皆様も本作のお手本のような「狂人」、トム・トレンブル氏の活躍を是非ご覧ください。
新米記者ウォルターは、ちょっとした有名人トレンブルから「ユーレイ トラエタ スグニコイ」との連絡を受け、彼の元へ向かうが──。
いやあ、すっごいすっごい……。
すごいものを読みました!
もう、絶対2回以上読むことになると思います。
私だけ……?と不安にもなりましたが、コメント欄を確認しましたので安心して申し上げられます。
「絶対2回以上読むことになります!」
特別に難しいことをしているわけではないのです。
文章もとっても読みやすい。
なのに、一度読んだだけでは「ん? え? あれ……?」となるのです。
お話は最初に書きましたとおり、記者がある有名人のもとに行き、彼が捕まえたという幽霊について記事を書こう、というものです。
それが、レビュータイトルにつけました「ミステリ」「愛憎劇」といった要素が絡むことで、2度(以上)読み必須の物語となるのです!
もう、ぜひ! 読んでみてほしいです!
いってらっしゃいませ!
ユーレイ トラエタ スグニコイ
こんな電報が届いたら、すぐに行くでしょ。
そして、こんな文で始まる小説、すぐに読むでしょ!
いろいろあって変人のあだ名で名高いトレンブル氏からの電報で屋敷に駆けつけた記者のウォルターが、その屋敷で体験した事を綴る形でストーリーは展開される。
幽霊屋敷と呼ばれる屋敷の部屋の中、降霊に使われるであろうテーブルの上に置かれた、子どもが入れそうな四角い箱に、生前氏の人生を狂わせた婚約者の幽霊が閉じ込められていると氏は言う。
ラスト2話でくるくる変わる展開に、ええっ、待って待ってどゆこと?と何度か読み返してなるほどそう言うことか!騙された!となった。
幽霊の正体は果たして!ウォルターを巻き込んで、トレンブル氏がやりたかった事は?
ホラー仕立てのミステリー掌編、どうぞお楽しみくださいませ!
電報が届いた。 トレンブル氏からだ。
「幽霊を捉えた。すぐに来い」
僕は軽犯罪の記事を担当している地方新聞社の記者だ。
トレンブル氏は変わり者である。
新聞社に「トム・トレンブルのゴースト・ストーリー」というコラムを出していて、
記事を書くときはいつも僕がご指名だ。
その昔は騎士の称号を持っており、貴族のシャーロットと結婚して上流階級の仲間入りを果たしたものの……
妻に不倫された上に殺害の罪までなすりつけられて落ちぶれた変人に成り下がっている。
今は、自分を没落させた妻への復讐心からか降霊術に没頭し、毎夜毎夜、シャーロットを呼び出そうとしているようだ。
そんなトレンブル氏に会いに行くと、彼はいう。
ついにシャーロットを閉じ込めた!
もう一度シャーロットに会える、と。
なんと彼はまだシャーロットを愛していたのだ。
さて、本当に箱の中にシャーロットの霊がいたならば、トム・トレンブルの濡れ衣も晴れる大スキャンダルになるこのコラム!
果たして僕は書くことができるのか……!!
まるで映画のような三十分にございました。
ぜひ、ご一読を。
ヴィクトリアンな空気感も漂うクラシカルな英国が舞台。
新聞記者のウォルターは新米ながら、トム・トレンブルというオカルトマニアを取材することで、人気コーナーを持っています。
そんな絶好の素材が「幽霊を捕まえた」なんて言ってきたら、行くしかありません。
――――ただ彼、クセのある人物で。
あ、「彼」というのはウォルター、トレンブルどっちもです。
思惑が重なり、さらに霊的なモノも重なり、展開の予想は非常に困難。
ですが最終的には、ああ、と落ち着けるはず。
読み返してみると「こんなところに」という小ネタも散らばっていたりして……
ジェットコースターのように振り回されてみると楽しいでしょう♪
タイトルにあるトレンブル氏とは一体何者であろうか。
トレンブル氏から奇妙な電報が届いたことから始まります。
それを受けた新米記者のウォルターさんは、彼に会いに行きます。
作中で、トレンブル氏は難ありと書かれている通り、癖が強いようです。
読んでいて、ひゃあっと飛び上がりそうになりました。
トレンブル氏の謎に迫っていくうちに、彼の過去の人生は気の毒だなと思いました。
トレンブル氏の過去と今は繋がっており、それが始まりの奇妙な電報に繋がります。
いったい、トレンブル氏に何が起きたのか。
読み進めるうちに、気づけば作者様の仕掛けた罠にかかったかのように、のめり込んでいました。
面白い展開に驚かされます。
ぜひ、この難事件を読んで、楽しんでいただけたらとオススメいたします。
ゴシックホラーな雰囲気満載で、とにかくこの空気に魅了されます。
シャーロック・ホームズの時代を思わせる19世紀末のイギリス。記者のウォルターはトム・トレンブル氏なる人物から呼び出しを受ける。
なんでも、幽霊を箱の中に閉じ込めたという。その中には「彼の人生を狂わせた」とされる女性の霊が入っているというが……。
幽霊の正体について探ろうとするウォルター。そこで、「思わぬ事実」と対面することに。
トレンブル氏と幽霊との間にあったこととは何か。そこから二転三転と思わぬ方向に話が転がり、「トレンブル氏」を巡るイメージが大きく変容していくことになります。
ウォルターは結局のところ、いかなる心霊事件に巻き込まれたのか。霊現象を軸として、過去に起こった「謎」を解き明かすミステリーとしても楽しむことのできる作品です。