概要
ある日、家に雷が落ちて瞬く間に火災となり、八重は何もかもを失ってしまった。
元々独り立ちした時や世話になった姐さんの葬儀代などで借金が嵩んでいた八重。
三味線と、今身につけているもの以外何もない。
その上家まで失っては首でも括るしかない。
絶望し、隅田川で入水を考えた八重であるが、そこに龍来屋という茶屋の主人が現れ、ひとまずうちに来いと言ってもらい、屋根の下で眠れることになり……。
八重はまだ知らない。
主人は「皓月(こうげつ)」という名の隅田川に繋がるお堀の主の大蛇であることを。
偶然助けた子蛇が、皓月の配下であったことを。
お茶屋「龍来屋」は仮の姿で、本当は人の世で「人間のふり」をして暮
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!時は大正、そこに一人の吉原芸者がいた
吉原というとまず江戸時代を思い浮かべますが、こちらは大正時代。
設定も珍しいですが、それでもしっかりとした下調べの上で書かれていることが文章のあちこちから窺えます。
主人公は、まだ年若いながらに三味線の腕前と喉と、自分の力だけを頼りに生きている女性です。
それでも、懸命に頑張っているにもかかわらず不幸に見舞われ、何もかも失って絶望してしまうのですが……。
そんな彼女にも救いがあり、茶屋の主人が手を差し伸べてくれます。
でも、この茶屋の主人にも秘密があり……。
タイトルにも「あやかし」と入っているように、ファンタジー要素が上手く溶け込んでいます。
主人公の周りで起こる事件はどのような解決を…続きを読む - ★★★ Excellent!!!大正ロマン×あやかし×ミステリーにグッとくる! 吉原芸者とあやかしの恋
大正時代の吉原で芸者を営む八重。天涯孤独の彼女は突然の火事で全てを失う。死を決意した彼女に声を掛けたのは、茶屋の主人皓月。
芸者と茶屋の主人が恋仲になるのは難しい。それなのに皓月は、芸一本で生きていくと心に決めている八重に「やりすぎやん」と突っ込みたくなるほど優しく接する。この御仁お料理がとっても上手で、すっかり胃袋と恋心を掴まれてしまった八重。
そんな、ままならない恋物語かと思いきや、皓月の真の姿はお堀の主の大蛇だった。ここからあやかしの世界で八重が活躍し、皓月との仲もじわじわと……。
しかし吉原ではよからぬ事件が起こり、あやかしの世界も存続が危ぶまれる事態に。
大正ロマン×あやか…続きを読む - ★★★ Excellent!!!大正浪漫×人外×吉原と、なんともエモくせつない恋物語です!
天涯孤独の八重は、吉原では桔梗という芸者として身を立てていました。
ある日、雷が落ちて火災となり、八重は何もかもを失ってしまった。隅田川で入水をしようとした彼女を救ったのが、龍来屋という茶屋の主人。
訳ありです。
これは吉原という華やかですが、虚構の街で、あやかしを相手に舞う看板芸者となった八重の物語です。
この物語のもっとも大きな魅力は、その圧倒的な雰囲気作り。三味線の音や着物の擦れる音、そして人ならざる者たちの気配が、文章を通して鮮やかに立ち上がってきます。
切なさと温かさが同居する、美しくも儚い珠玉の名作です。
どうぞ、お読みください。 - ★★★ Excellent!!!仕事のできる、格好良くて可愛らしさのあるヒロインを応援したい!
面白すぎて最新第8話までを一気読みしてのレビューです。
物語の世界にどっぷり浸からせてくれる安定の文章力で読みやすく、大正時代の吉原の様子が色鮮やかに描かれています。時代背景や吉原のシステムについての説明も小出しにしてくれていますので、興味深く読むことができますよ!
何より、ヒロインの高感度が高いです!
吉原芸者で身を立てている八重は、意外にもド根性系。三味線や唄の技術は折り紙付きで、周囲の人たちとの関係も良く、精神的に大人の女性なのです。
いいなと思い始めている茶屋の主人・信明との関係を深めることはご法度なのですが、八重の恋はゆるりと育ち始めていて……。
自分の気持ちにブレーキをかけなが…続きを読む - ★★★ Excellent!!!大正時代の吉原芸者の恋の物語。
大正時代の吉原。
天涯孤独の八重は、唄に三味線、踊りで身を立てる芸者である。
芸者は、けして〝身体〟を売らない。
花魁たちの仕事を奪ってしまうからである。
また、同業者と恋仲になることも歓迎されない。風紀を乱すからだ。
ある日、火事で家を失ってしまった八重。
借金まみれとなってしまう。
窮地を救ってくれたのは、龍来屋(たつきや)という茶屋の主人。
優しい心遣いに、ほだされかかる八重。
しかし、龍来屋の主人は、もろに同業者。
真面目な八重は、この恋は成就しない、と己に言い聞かせる……。
丁寧に吉原の風景や良俗が描かれて、読み応えのある歴史ファンタジーです。