大正浪漫×人外×吉原と、なんともエモくせつない恋物語です!
- ★★★ Excellent!!!
天涯孤独の八重は、吉原では桔梗という芸者として身を立てていました。
ある日、雷が落ちて火災となり、八重は何もかもを失ってしまった。隅田川で入水をしようとした彼女を救ったのが、龍来屋という茶屋の主人。
訳ありです。
これは吉原という華やかですが、虚構の街で、あやかしを相手に舞う看板芸者となった八重の物語です。
この物語のもっとも大きな魅力は、その圧倒的な雰囲気作り。三味線の音や着物の擦れる音、そして人ならざる者たちの気配が、文章を通して鮮やかに立ち上がってきます。
切なさと温かさが同居する、美しくも儚い珠玉の名作です。
どうぞ、お読みください。