概要
白く美しいが何故か表情の乏しい子供を連れ出し、不思議な力を借りて囚人の立場から変わっていく少年の話。
【詳しいあらすじ】
檻の中で幼児化して目覚めた『名前が思い出せない』少年は、一人の白い子供と出会う。
不気味なほどに美しいが、子供のくせに表情がとても乏しい。
初めは警戒して、ぎこちない関係が続くが
やがてその子供の協力を得て脱出に成功する。
少年を助けたこの子供は……いったい何者なのか?
子供が使う不思議な力はなんなのか?
そして、少年が持つ――『異常性』とは?
子供を連れて行った少年は、
その力を借りながら外で生活を始める。
そこで周囲の目を引くことになり……。
これは最底辺の立場から協力して成り上がっていくヒューマンドラマ×ファンタジー。
【第一部】牢獄での
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!檻の中から始まった歪な関係は、どこへ向かうのか
檻の中で目を覚ました、名前も思い出せない少年。
そこに毎日やって来るのは、不思議な力を持つ白い子供。
そんな二人の関係から始まる物語です。
なぜ閉じ込められているのか、白い子供は何者なのか、分からないことだらけですが、二人の関係が少しずつ変わっていくのが面白い。
白い子供は決して「助ける側」として自由な存在ではなく、主人公も子供も何か大きなものを背負わされているのが、言葉にされなくても伝わってきます。
世界の仕組みや設定ももちろん気になりますが、それ以上に「この二人がどういう関係になっていくのか」が一番の読みどころだと思います。
タイトルの「嘘吐き勇者」という言葉が、誰のことを指して…続きを読む - ★★★ Excellent!!!檻の闇で交わす優しい嘘が、少年と白子を救う、星空の牢獄読後熱残る1本だ
『嘘吐き勇者よ。死んではならない』は、目覚めた瞬間から読者の足元をすくう。見知らぬ天井、湿った埃の匂い、手枷と首輪、そして出入口のない檻。さらに身体は幼児に戻り、肝心の「自分の名前」さえ抜け落ちている。状況の異常さを重ねるのに、描写は手触りが具体的で、恐怖が空想に逃げない。鎖の音がうるさいほど、現実感が増していく。
そこへ現れる白い子供が、この物語の温度を決める。美しいのにどこか怯えている。優しいのに何かを隠している。灯りを分け、飴を渡し、水を汲む。ただ、スープだけは渡せない。その不自然さが、単なる「意地悪」ではなく、別の圧力を匂わせて先へ引っ張る。
パンの回が印象的だ。白い子供が…続きを読む - ★★★ Excellent!!!少年の成長と希望の物語
心理描写も丁寧で、静かで詩のような描写が入り混じる……とても不思議な感じのする小説です。
ダークな雰囲気が、少しだけ緊張感を漂わせています。
しかし、その物語はとても哲学的で、少し難解です。例えば主人公以外の人には見えない白い子供が登場しますが、彼はなぜ見えないという設定になっているのか。私たちも、自分と無関係なことや興味のないものは、視界に入っていても見えていないことが良くあります。そういう誰もが持つ視点を、物語のキャラクターとして象徴的に登場させているのでしょうか。
そう考えた時、なぜ、タイトルが「嘘吐き勇者よ。死んではならない」なのか?という疑問が湧いてきました。この牢屋で目覚め…続きを読む