名前を失くしても、心は残る――静かな絆のファンタジー
- ★★★ Excellent!!!
記憶をなくした少年と、白銀の瞳の子供――二人が偶然出会い、不器用に心を寄せ合っていく物語に、思わず引き込まれました。閉ざされた牢獄の中で生まれる小さな信頼と、壮絶な戦い、そして「勇者」と呼ばれる子供の勇気ある選択。それぞれのシーンがとても鮮烈で、胸がギュッと締めつけられます。
「舞台となる幻想的な世界は、危うさと美しさが共存し、現実とは違う息苦しさと自由さに満ちています。どこか切なくて、でも温かい――その描写がとても丁寧で、読後に自然と考えさせられる余白があります。
この作品は、心の奥に残る傷や、誰かと再びつながり直すことの難しさ、そして「信じる」ことの意味を問いかけてきます。ファンタジーや冒険モノが好きな人はもちろん、繊細な心の機微や、ゆっくり育つ人間関係を味わいたい方にもおすすめ。派手さより“心に残る物語”を求める読者に、ぜひ読んでほしい作品です。