概要
この手で護りたかった。けれど、その胸に刃を向けたのは――俺だった。
かつて、互いの存在だけが救いだった。
幼き日、誰にも言えぬ夜を越えるたび、
身体を寄せ合いながら、ただ「明日」が来ることを祈っていた。
だが、
ある夜を境に、ふたりは“罪”を背負わされた。
踏み躙られた過去を、あたかも望んだもののように歪められ、
東と西、異なる戦場へと引き裂かれた――。
狼巴(ろうは)は、民を守る“英雄騎士”として。
紫夕(しゆう)は、影に生きる“暗殺者”として。
刃の交差する先に、再会があった。
声をかければ、傷がひらく。
触れれば、誓いが揺らぐ。
――それでも、見つめてしまう。
「憎んでくれ、忘れてくれ。そう願ったのに――
おまえの痛みを、今も俺だけが知っている。」
この物語に、救いはないかもしれない。
けれど、
戦場でさえ消せなかったものが、たしかにふたり
幼き日、誰にも言えぬ夜を越えるたび、
身体を寄せ合いながら、ただ「明日」が来ることを祈っていた。
だが、
ある夜を境に、ふたりは“罪”を背負わされた。
踏み躙られた過去を、あたかも望んだもののように歪められ、
東と西、異なる戦場へと引き裂かれた――。
狼巴(ろうは)は、民を守る“英雄騎士”として。
紫夕(しゆう)は、影に生きる“暗殺者”として。
刃の交差する先に、再会があった。
声をかければ、傷がひらく。
触れれば、誓いが揺らぐ。
――それでも、見つめてしまう。
「憎んでくれ、忘れてくれ。そう願ったのに――
おまえの痛みを、今も俺だけが知っている。」
この物語に、救いはないかもしれない。
けれど、
戦場でさえ消せなかったものが、たしかにふたり
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