https://kakuyomu.jp/works/1177354054902247720/episodes/1177354054954433444
そんなわけで第五話です。
また長い話になってしまいました。ちょっと手を加えれば二話に分割して楽ができるのに……もったいないことこの上ないです。
昼時だというのに無遠慮に訪問したヨーコに対して、アシュリンは仕方なく普段の粗末な食事を勧めることになります。
ぼそぼその固い黒パンと、野菜屑+豆のスープ(肉なし)という、辺境の昼食では標準的なメニューです。
ヨーコもその辺はわきまえていますから、味にはまったく期待していません。
しかしいざ食べてみると意外に美味しく、彼女は驚きます。
スープは野菜の出汁が出ているものの、味付けは塩だけというのが当たり前ですが、アシュリンは干したキノコと塩蔵した鶏肉の脂を加えることで味に深みを出しています。
彼女はかなりの料理上手で、貧しいながらも美味しい食事を出そうという努力を惜しまない女性です。
十二歳のエーファは、当然母親から料理のいろはを仕込まれていました。父親の死によって、母が主たる働き手となってからは、エーファが台所を任されるようになってめきめき腕を上げていきます。
イノシシの解体を顔色一つ変えずにこなしていることからも、彼女の努力が窺えます。
(この辺の話は伏線になっていますので、頭の隅に置いておいてください。)
さて、ここまでの四話はずいぶんと不穏な内容で、この先どうなるのか不安でしたが、ここにきて読者の皆さんも「ほっとした」のではないかと思います。
作者も早いことこの第五話をやりたくて仕方がありませんでした。「白狼の娘」は、『幻獣召喚士』の「陽だまりの部屋」みたいな感動話なので、殺伐とした話はとっとと終わらせたかったのです。
あまりネタばらしはしたくありませんが、この先は戦闘場面も流血もありませんので(回想で胸糞話がありますけど)、どうか安心してください。
実を言うとこの第四章は三部構成となっていて、今回の第五話がその第一部の締めくくりとなります。
次回の第六話からが第二部で、いきなり舞台が蒼城市に移ります。
どうか新展開にご期待ください。
最後に一応断っておきますが、ヨーコに百合趣味はありません!