「円城塔賞」を含む小説

ある日突然、ありとあらゆる場から漢字が消滅してしまい、人々の記憶の中にしか存在しなくなってしまった世界。 音読み、訓読み、重箱読み、湯桶読み、熟字訓などで同音異義語だらけの日本語…

「ふざけんな！ 俺の小説がテンプレ悪役令嬢に負けるか！」 ランキング562位の箸にも棒にも引っかからない自称作家・月影諒太。 渾身の自信作『魔王学園の（中略）美少女オンリー（後…

寝たら明日が来ると思うと寝たくない。 土曜日の夜の静けさは、主人公に安らぎを与えはしない。仕事のない日曜日は母が家を訪ねてくるからだ。

紙の本が売れない時代だからこそ、文章で食べていく道があるという。これはその道へと足を踏み入れた、ぼくの物語。

デザイナーとして働く水沢由紀は、兼業でイラストレーターとしても活動していた。 忙しく過ごす中、高校時代の友人・西野沙織が小説の大賞を受賞したと、SNSのチャットグループに告げて…

高校一年生の堤由成は、とある目的をもって化学準備室に忍び込む。 無人だと思っていたそこには、変な女がいた――。 舞台は一九九五年、とある高校の化学準備室。 そこで始まったのは、…

僕の大好きなじいちゃんは、最後の北京原人だ。

「霊の姿は視えるが声は聞こえない」自称・美少女探偵・鏡花と「霊の声は聞こえるが姿は視えない」特異体質を持つ助手・岩山。 本格ミステリの様な事件を解決したい鏡花には霊絡みの依頼ばか…

満井すみれは、誰もが認める「優しくていい子」。 小学校時代からの親友、二藤倫といつも一緒にいる姿が、周りの目にも微笑ましく映っていた。 しかし、二人揃って同じ高校に合格したと知ら…

雨上がりの夜、カズマは繁華街で“何か”に見つかった。 銀色に揺れる視線、迷宮のような地下鉄。 どこへ逃げても追いついてくる。 記憶にはないのに、懐かしさだけが胸にこみ上げる。 や…

迷惑な女の話です。

クリスマス書き下ろしです！

お題フェスの卵がお題の作品です。 学年一位の自称天才、成松理久（なりまつりく）。 彼には好きな人がいた。 超絶美少女で学年のアイドルの雛形玲子だ。 彼女とデートしたいなあと思…

ショートショートのお話です。 よりよい社会のために働いていました。 頑張って働いていましたが、努力には限界があります。 効率化のために才能を調べ、その人に向いた職場で働けるよう…

祖母の死に不快感を感じた少年・過々。彼の夢は、大革命家になること。死と夢が出会ったとき、彼は世界に笑顔を置いていった。笑顔は不快感を消し、死を幸福に変えた。そして、彼の不在がーー…

母親の見舞いに訪れた病院で、彗（すい）は一人の少女と出会う。 蘭（らん）と名乗った少女は、どうやら病院の入院患者のようで──。 二度読むことで、世界が変わる。 文字だからこそ…

クラスに転校してきた藤森灯花は、見える人と見えない人がいる──“準透明人間”だった。 高校二年の春、転校してきた彼女の姿が、僕にだけ見えない。 声は聞こえる。気配もある。けれど、…

世界から水が消えてから数世紀が経過した。かつての人類は砂を主食とした砂人となった。 冒険活劇が好きなエドは、アンと共に水が湧き出る場所を探し求めて旅立ったが…？

地下書庫の最奥に、一冊の資料フォルダと、一枚の紙。 「君が準備できたとき、きっと私を見つけるだろう。」 亡き同僚――澤元理一。その痕跡を辿る中で、彼は奇妙な夢、謎の記号、崩れた…

――黒猫が流れている。 「彼はどこへ行くのだろう？」 僕は、空をぼ～っと見上げていた。 「お教えしましょうか？」 と声をかけてきたのは三十路手前の未亡人。 どこか冷めた作家と、…