非常に知的で、現代的な恐怖を描いた作品でした。女叩きビジネスへの批評として始まり、AI・サブスク・法的手続きという現実的ディテールを積み重ねた末に、家族と個人の物語へと反転する構成が良かったです。特に「これは勝利のためではなく、確実な敗北のための計画だった」という終盤の明かしは、物語全体を一段深い場所へ引きずり込みます。特に終盤の謝罪記事は、贖罪であり内部告発であり、同時に明確な攻撃でもあるという二重性が見事で、文章そのものが“行為”になっていました。読後にカタルシスではなく居心地の悪さを残す、非常に現代的で挑戦的な結末だと思います。
一度は触れてみて欲しいと思う作品に、出会ってしまった。それが、この物語だ。悪とは何かと考えさせられる、社会的哲学の詰まった作品だ。素晴らしい!と、あなたも言うだろう。これを読んだならね。
まぁ、善ではないでしょうね。では善の反対語である悪でしょうか。邪、でもよさそう。……いやいや。世の中、そんな単純なものではなさそうだぞ……。みたいなことを考えるにはうってつけの短編だと思います。1万も満たない文字数でこの満足度、とてもすばらしいです。是非、ご一読あれ。
最初は、ネットとお金の話みたいで、淡々と読める。でも、少しずつ「ぼく」の足元が冷えてくる。画面の中だけの出来事じゃなくて、部屋の音とか匂いとか、生活の湿度が混ざってくる感じがあった。読んでて一番引っかかったのは、“正しい”って言葉の置き方。それが優しい言い方じゃないのに、妙に落ち着いてて怖い。「たった一人で始めた戦争だ。」って一文で、背中が硬くなった。ページを閉じたくなるのに、逆に目が離せなくなる。
ネタバレしたくないのでほんわかしたことしか書けませんが、ぜひ読んでいただきたい一作です。タイトルからは想像もつかない展開に脱帽です。現代のネット文化の「悪意」や「毒」がふんだんに盛り込まれながら、鮮やかに伏線が回収され、大きな展開を見せていくところが素晴らしいです。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(177文字)
間違いなく傑作で怪作。読んで間違いない作品であると考えます。
社会風刺の様であり、物語性もある短編でした。Netflixなんかにある一話完結オムニバスのドラマの1エピソードとして配信されてもおかしくないクオリティでした。
文章のテンポがよく、現代のネット文化を物語に軽やかに取り込む手腕がとても魅力的でした。主人公の視点を通して、悪意が複製されていく構造が鮮やかに描かれ、最後まで引き込まれます。家庭の空気感や心理描写も丁寧で、ラストの一歩に至る流れには静かな説得力がありました。短編ながら余韻の残る、読みごたえのある作品でした。
人類に本能的な悪意が存在する以上、なくならないんだと思います。自分もあまり褒められた人種ではないので教訓にします……
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