少年は砂を知っていた。
砂の食感、砂の味。そういうものを知っていた。
そして、「水」を知らなかった。「水」を知らなかったことを、知ってしまった。
少年は水を求めた。一緒に行くと言った少女と一緒に、大人の反対を押し切って旅に出た。
そして──。
ああ……なんて、なんて素敵なお話でしょう。
最後のふたりの様子、いつまでも眺めていたいです。
「人間は知っているものが欲しくなる」。
映像作品で聞いた言葉ですが、本当にその通りだなと思いました。
そしてその「知る」というのはなんて残酷なことでしょうと、お話を読みながら思っていました。
ああ、それでもふたりはもう、水を知ったことが残酷だとは思わないのでしょうね。
途中からずっと危なかったのですが、いよいよ泣きそうです。
素敵な作品に出会えました。
ありがとうございます。
このレビューを見つけてくださったあなたさまがもし、まだこの作品を読んでいらっしゃらなければ、ぜひ読んでみてくださいませ。
これも一つのアポカリプスと言えるのでしょうか。
地球の七割は海つまり水ですが、この世界ではその水が全て干上がってしまいました。
太平洋は、巨大な砂漠になりました。
このような状況でも人間は逞しく生きているようで、
つまりは……
環境に順応して進化をしました。
この新人類は、砂を主食としておりましたが、それ以外は人間とは変わらないようです。
ここに、
二人の少年少女。
彼らは、今でもこの地のどこかに存在するという「水」を探しに旅に出ています。
それは「ウォーターワールド」などと呼ばれておりましたが、
まさに『砂を食むような生活』をしている彼らです。水なんて見たこともなければ、信じようともしません。
それでも旅立つ彼ら。
少年の方は、向こう『みず』な部分のあるヤンチャな男の子。
女の子の方は冷静でまさに『水』先案内人と言ったところでしょうかな。
しかしアクシデントが。
女の子の方、アンが怪我をしてしまいます。
置いていってほしいと懇願するアンを、少年エドは見捨てることができません。
さて、どうする。そして、水はどこにあるのか……?
枯れてしまった世界は、再び潤うか。
少年少女の冒険譚。
ご一読を。