「円城塔賞 青春」を含む小説

「アンタはバカだけど、馬鹿じゃない」 写真が好きな男子・柚木晴が通う通信制高校のスクーリングの日。隣に座ってきたのは、地雷系女子の桜草リラだった。 関わりたくないと思うけれど、…

誰にも感知されない1/18秒以下の感情の発露。重なり合う宿命。実らぬ想い。

毎週土曜、学習席。ヘッドホンをつけているあなたにはきっと届かない。 ** 1000文字に切ない青春をめいっぱい詰め込みました。読んでいただけると嬉しいです。

主人公の故郷である山深い町では、「霧の朝は、外に出てはいけない」という暗黙のルールがある。ある霧の朝、主人公が自転車で学校に向かう途中、行方不明だった友人にばったり出くわす。しか…

校庭の奥にある古い温室は、秋だけの居場所だった。クラスのざわめきや他人の視線から離れて、1人で呼吸ができる場所。

新人戦も終わった秋、高校2年の悠は、部活を辞める決断をする。 彼が辞める理由とは―

大学生の主人公は、北海道出身の、美人だがとっつきの悪さで有名な神谷さんに毎日話しかけている。しかし、全くと言っていいほど相手にされない。ある日、主人公はいつものように神谷に話しか…

社会人二年目の遥には、仕事の傍ら情熱を注ぐ場所があった。プロ野球チーム「流星フレアーズ」のライトスタンドだ。 亡き父との思い出から、彼女の長年の夢は、「自らの手で、ホームランボー…

進路に悩む落ち込みがちな高校生、ハルミの元に、ガジュマルの精霊、ガジュ子が現れた！ どうやらガジュ子はお母さんに願われて、私を元気付けに来たらしいけど、その実問題を起こしてばかり…

「この町の色がね、薄くなってるの」 立ち入り禁止の屋上で、真紅の瞳の彼女はそう言った。その後、世界からは色彩が消え、町も、教室も、食べ物も、全てがモノクロームになり、人は感情を失…

幼馴染のハルトにキスをされた翌日、彼が引っ越すのだと知った。 放課後、雪の降る屋上でその背中を呼び止める。 開けてくれるはずだったピアスホールと、まだ続くと思い込んでいた日常。そ…

兄は二段ジャンプに失敗して、深い谷底に落ちて死んだ。 兄の死んだ年齢に追いついた弟は、兄の二段ジャンプの研究ノートを開き、その後を継ごうと決めるが……。 越せないものを越そうと…

憧れの吉田先輩の待ち伏せ中事故に遭った桜沢くんは、先輩のメガネのツルに転生しました。

静けさの中で、少しずつ近づいていく2人の高校生。 言葉を多く交わさず、2人の世界は満ちていく。 劇的な事件が起こることはない。 ただ、空気、音、光、心の震えが、静かに愛を育てる。…

監禁事件の被害者と加害者の間に産まれた宇佐美虎徹は、ある日以来、極度の性衝動に苦しめられて自宅に引き籠るようになった。 唯一の肉親の母親が自殺し、天涯孤独となった虎徹は、心優しい…

うまくいかない親子と、ある噂に興味を持って森に入る四人の女学生。 噂の真相について。

ケーキ屋の娘で中学生の真琴は、ある日、友達を正論で追い詰めてしまう。気まずくなる教室、なぜか店にやって来る国語教師。周りの言葉に揺れながら、真琴は「正しい言葉の伝え方」と向き合う…

春休みの終わり、図書館でとある“うしろ姿”に惹かれた猪瀬。 新学期にやってきた転入生・浅井若葉は、偶然にもあのうしろ姿の彼女だった。 冷たい言葉と無表情で人を寄せつけない若葉…

36歳、薬草採り専門の冒険者・レイジ。 モンスターは絶滅し、残った仕事は錆びた金属生物「テツマル」に油を差すだけ。 それでも穏やかで幸せな日々だった──はずだった。 ある日、病…

高校受験を控えた正月。 年号が平成に変わるというニュースを聞きながら、父さんの作った夕飯をふたりで食べていたところ、父さんが「ちょっと、いいか」と口にした。 文字数：8000字…