夢の値段を考える、大人のための優しい物語

『【路地裏の一夜書房】~あなたの夢を買います~』を読んで心に残ったのは、「夢」に込められたリアリティと温かさです。幸田恒一が人生のどん底で偶然出会った“一夜書房”と、謎めいた老人の存在が、彼の心の再生のきっかけになる展開は、幻想的なのに妙に現実的で、じんわり響いてきます。

 特に、宝くじや家族との関係、失業と再出発といったテーマが、どれも身近なのにとても丁寧に描かれていて、恒一の一歩ずつ前に進む姿に励まされる人も多いはず。夢やお金の価値を問い直すだけでなく、誰かと繋がる温もりや、“まだ終わっていない”人生の希望も感じられます。

 現実に悩みや迷いを抱える社会人や、人生の転機で立ち止まっている人、家族との絆を大切にしたい方には特におすすめ。読後はきっと、自分自身の“夢の値段”についても考えたくなる、そんな優しい力を持った作品です。

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