消えた片目はどこにある? この強烈過ぎる世界観に圧倒されます

 唯一無二な世界観を見たな、と最初から最後まで凄かったです。

 主人公の少年には、「みんなの片目がない」ように見える。
 父や母や、他の同年代の子供たち。それらの人々は「片方の目が空洞になっている」ように見える。

 でも、彼らにはその自覚にはなく、「目は二つある」と言い張る。

 どうして、彼らの目はないのか。そして、「消えた目」は何処に行ったのか。

 この前提となる世界観の異質さで、序盤から心を掴まれました。
 そのまま読み進めていき、ラストで出てくる「思わぬヴィジョン」に驚愕。

 このヴィジュアル的なイメージがとにかく強烈なインパクトを持っていました。とにかく世界観の凄みに圧倒される、パワーに満ちた作品でした。