あまりにも合理的過ぎる選択肢。そのどこかに希望はあるのか?

 合理的というのは、「エグい」と背中合わせだな、と改めて感じました。

 主人公たちは、「究極の選択」を迫られることになっていた。
 資源枯渇で地球には住めなくなった時代。宇宙ステーションに住む彼らは、「遠方の惑星」へと向かうべきか。それとも死を選ぶかを選ぶ必要が出た。

 死に方が選択できる一方で、遠方惑星への開拓に関しては先行きも見えない。
 あるかどうかわからない希望に向かうか。それとも、目の前にある安らかな終わりを取るか。

 どれが正解かわからない葛藤もさることながら、最終的に見える「事実」がひたすら合理的すぎて寒気がしました。

 この感じ、昔の日本映画であった「マタンゴ」という作品もちょっと彷彿とさせられるような。
 「飢えて死ぬか。それとも、〇〇をやめるか」という。

 この究極の選択。自分だったらどうするべきか。考えても答えは出せそうになく……。

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