アメリカ大陸を発見したコロンブス。
彼に、こう言った者がいる。
「誰でも西へ航海すればアメリカ大陸に行き当たるのだから、アメリカ大陸の発見は大した業績ではない」
そう言われたコロンブスは、
1個の生卵を取り出した。
そして、自分の業績をバカにした相手に言った。
「この、卵を立ててみせよ!」
楕円形で、中身も動く卵を立てるのは、至難の業だった。
相手が諦めると、コロンブスはテーブルに卵の先端を打ち付けた。
先端を平らにすることで、生卵を立ててみせたのだ。
“コロンブスの卵🥚“
『どんなに素晴らしいアイデアや発見も、ひとたび人々の目に触れた後には、非常に単純あるいは簡単に見える』
ことを指す成句である。
単純なアイデアであっても、
誰ががそれを思いつかない限り、
そんな方法があることにすら気づかない。
どうすれは、
コロンブスの卵は生まれるのだろう?
片月いち様のお作品
『卵が先かドラゴンが先か』
このお作品にその答えが描かれている。
志願者の諸君。
冒険者は危険と隣り合わせだ。
ギルドに入って活躍するには、一にも二にも実力。
未熟でも、君だけがケガするのなら、まだいい。
だが仕事仲間まで危険にさらされるのは、ギルドマスターとして看過できない。
そこで証明してもらおうか。君の力を!
……ということでギルドに入る前に、試験をクリアする必要があります。
もちろん難しくはありません。
ほんのちょっと山まで行って、ドラゴンのタマゴを運んでくればいいだけですから。
脱落者続出の中、食い下がるレウス。
試行錯誤し、発想を転換し、なんとかクリアを目指します。
その結果は……?
冒険者のタマゴにドラゴンのタマゴ。
それからそれから……
いろいろなタマゴがオンパレードで美味し――――いえ、たのしい作品でした。
読後感もいいのでオススメです。
こういうこと、RPGの世界ではたまにやっちゃうことあるなあ、と読んでいて思わされました。
主人公のレウスくん。彼は冒険者ギルドに入りたいと願い、「入団試験」を受けることになります。
先輩であるレイアと一緒に「ドラゴンの卵を傷つけずに運ぶ」ということを実行しようとする。
だが、難易度が高すぎる。何度も何度も失敗し、苦労を重ねます。
ギルドに入るための試験なんて、本当は「チュートリアル」程度のもののはず。つまりは初期のレベルでクリアできないとおかしいということに。
そんな「何かを間違っている」試験を諦めずにこなす中で、レウスくんにはある変化が。
RPGなんかをプレイしていると、たまに「ストーリーを進行させずにレベル上げを好きなだけ行える作品」なんかと出くわします。
つまり、序盤の段階でラスボスを倒せるくらいの強さになれてしまうものもザラにあるという。
もしも、「序盤のダンジョンをクリアするための難易度が理不尽に高かったら?」という疑問。そこでプレイヤーがゲームを投げなかったら、一体何をやるか。
その答えが、この作品の中で行われたようなことなのかもしれません。
本末転倒、ではあるのだけど、RPG好きとしては「あるある」とも思える感覚。レウスくんのとぼけたキャラとも相まって、とても楽しかったです。