概要
呪詛を抱きながら戦い、喪われた妻を想いつづける英雄。
捻くれた元暗黒魔導師や有能で冷徹な宰相の支えのもと、プトレメウスは数多の苦難を乗り越えていく。
しかし最悪の奇跡が顕現した時、その運命は彼自身の手によって閉ざされるのだった——
時を遡ること24年。
12歳の聖公爵家息女ジュリア=ルシーヌは、オレニア大公世子プトレメウスを最強の魔導師にすべく、あらゆる手段を用いて彼を高みに引きあげようと画策していた。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!世界を裏切り、美姫を選んだ英雄の哀しくも神々しい数十年の歴史絵巻。
第一部:星王暦5253年〈一角獣の月〉の章までを読んだ感想です。
作者様の一瞬でこの架空世界の目撃者にしてしまう、圧倒的な筆力と緻密な設定がとんでもなく素晴らしいです!
世界を襲う災厄と戦う無敵の不老の英雄・プトレメウス。
彼が抱える「中身虚無」という深い孤独の正体が、16年前に世界のすべてを裏切って交わした「秘密の結婚」と、その翌日に訪れた最愛の妻の死にあるという圧倒的な幕開けに、一気に読書心を鷲掴みにされました。
政治の謀略や魔道の戒律といった硬派なダークファンタジーとしての面白さはもちろん、15歳の公女の目を通した「英雄の神々しさと異常性」の描き方など、視点の切り替えも鮮やか…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ファンタジー好きにはたまらない!
重厚ファンラジーが読みたい方には是非オススメします。
とにかく、人物描写も情景描写もうまい、でもそれ以上に設定も濃い。練られたファンタジーと設定がプロ並です。けれど、説明が自然で会話の中でスッと入ってくるし詩的な表現がファンタジー好きには心をくすぐります。
プトレメウスの強さが全面にありますが、彼の抱えている何か、核心が過去にあるということ。特に最初の妻のジュリア(推し)とのことが気になります。
ちなみにコスタス君もいいキャラです。重厚な文章の中に、硬そうなプレメウスも困らせられたりしているので、キャラ同士の軽妙な会話は引き込まれ楽しいですよ! - ★★★ Excellent!!!圧倒的筆力で描かれる英雄の圧倒的な強さと、瞳の奥の深い虚無に魂が震える
圧倒的な筆力に脱帽。
序章の神話的な重厚感から一転、第一部の息をもつかせぬファンタジー巨編への幕開け、この流れは見事で鳥肌もの。
特にシビれたのは、英雄・プトレメウスの圧倒的な強さと内面の底知れない虚無のギャップだ。フランクの視点から描かれる、紫の稲妻とともに魔物を一瞬で消し去る異次元の強さ。そこからのゾフィー視点で明かされる、二十代の美青年の姿のまま老いることのない絶望を瞳に宿した静かな佇まい。
この対比が本当に見事で、彼の背負う数千年の孤独と、これからの大災厄時代への予感が、ゾフィーの身体の奥に龍を飼っているという最高に痺れる言語化によって、読者の胸にダイレクトに突き刺さる。