世界観の提示がとても巧みで、一気に引き込まれました。
説明に寄りすぎず、感覚的な描写とテンポの良い地の文で、読者側に想像の余地を残してくれるのが心地いいです。
シリアスになりがちな題材なのに、語り口や掛け合いに独特の軽さがあって、重くなりすぎないバランス感覚が印象的でした。
特に主人公視点の「ズレた冷静さ」というか、状況を俯瞰しているようで実は振り回されている感じがクセになります。
まだ全貌は見えていないはずなのに、「この先で世界の見え方が変わっていくんだろうな」と自然に思わせてくれる構成なのも上手いですね。
設定の奥行きがありそうなので、読み進めるほど味が出てきそうで楽しみです。
続きも追わせてもらいます。
現実世界で無気力と虚無感に沈んでいた主人公は、ある日突然、異世界へと転移してしまいます。
そこで彼を待っていたのは、魅力的な女性たちとの出会いと、旅をしながら、料理をふるまう穏やかで賑やかな日々でした。
持ち前の探求心と豊富な知識、そして機転を武器に、主人公は次々と訪れる困難を乗り越えていきます。
ときにその駄々洩れな『欲望』がコミカルに物語を彩り、思わず笑わせてくれます。
しかし、この物語はただの『異世界ほっこり日常』では終わりません。
主人公自身もまだ辿り着いていない、この世界そのものの謎が、物語の奥行きを深めていくのです。
少しずつ前へ進む旅路の中で、その謎へと近づいていく過程に、私は自然と引き込まれてしまいました。
この作品の大きな魅力は、主人公生み出す料理と、科学的理論に基づいたアイデアの数々。
ファンタジーとSFが見事に融合し、彼の発明品が物語に溶け込みながら世界を鮮やかに彩ってくれます。
それらはキャラクターたちの魅力をさらに引き立て、より読者を唸らせる仕掛けともなっています。
1話ごとの筋道が明確で読みやすく、伏線と回収のテンポも心地良いです。
ストレスなく読み進められる構成は、物語の世界に没入する楽しさを、毎回、存分に味わわせてくれます。
これから先、主人公がどんな出会いをし、どんな発明を生み出し、どんな真実に辿り着くのか。
じっくりと読み進めたくなる、魅力あふれる作品です!
語り口は軽妙でツッコミも鋭く、読者をぐいぐい引っ張る一方、ふと差し込まれる虚無感や孤独が刺さるのが本作の強み。
現代日本の“限界会社員”の乾いた視点から始まり、世界樹・精霊・儀式魔術めいた現象へと、科学と魔法の境界をなぞるように世界観がスライドしていく構成が巧いです。
派手な現象描写は映像的で、虹色の光や魔法陣の積層が「美しいのに不穏」という独特の空気を作る。
さらに、勇者を名乗る少女との噛み合わない掛け合いが緊張を程よく緩め、キャラの輪郭を一気に立てます。
笑いながら読み進めた先で「この世界、想像より危ないぞ」と気づかされる、そんな導入編でした。
おじさんが異世界に転移し、仲間を得て楽しみながらスローライフ気味に冒険していく…。
こう一文でまとめてしまうと、昨今よく見る設定の作品に聞こえてしまうかもしれませんが、今作は溢れている作品群とは一味違います。
まず、作者様の筆力によるものですが、舞台となる『異世界』が主人公タカシ氏の視点を通して、とても分かりやすくスッと頭に入って来るのです。
また、その世界の中で活躍するキャラクター達も非常に魅力的です。タカシ氏をはじめとして皆キャラが立っており、彼ら彼女らが会話し絡むだけでもお話しが成立するほどです。
さらに単なるスローライフ冒険ではなく、舞台の『異世界』の謎とでも言うべき物語を貫く縦軸もしっかりと用意されております。
色んな読み方、楽しみ方ができる快作ですので一読を是非是非おすすめです。
主人公は転移した会社員のおじさん45歳。
不死身能力授かったっぽい? 異世界らしく、妖精、精霊、女勇者などとの出会いから物語が始まっていきます。
あ、出会っている者、女性ばっかり。そんな中、うっかりセクハラ行為にならないよう言葉選びなどに注意しておじさんはがんばります。
物語の構成はというと、場面転換で視点が変わります。
主人公がこう考えていた場面、その一方でその時主人公と関わった相手はどう考えていたのか?
あの時のセリフの意味はこういう意味だったのかという種明かしが面白いです。
とある食堂のお姉さんの「主人公に対する思い」は意表を突かれました。
ところどころ、ソフトな御下ネタがありますが、明るく笑えるものなので大丈夫。
むしろ、ソコがこのおじさんの魅力でもありますから。
【ep.9まで読んでのレビューです。】