概要
そこは──『怪異』の世界だった。
『鬼高の鬼』。
不良たちにそう恐れられる鬼丸高校三年の志々子は、街外れの廃神社へ通う日々を送っていた。
そこは十年前、双子の姉が目の前で忽然と消えた場所。
ある日、いつものように神社を訪れた志々子は、
鏡のように反転した異界の神社へと迷い込み、人の形をした異形──怪異と遭遇する。
胸を貫かれ、確かに命を落としたはずだった。
だが、死は終わりではなかった。
目を覚ました彼女は、怪異として立ち上がる。
鼓動はある。だがそれは、もはや人間の"生"ではない。
一度死に、怪異として蘇った命。
志々子は自らを《屍々子》と名乗る。
その力は、通常の怪異とは明らかに異なる未知のものだった。
姉の失踪、怪異となった理由、そして歪み始め
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!屍々子鬼強ぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!
ちょいホラーな異能バトルの現代和風ファンタジーです。
まずはじめに。
この作品と主人公、すごく好きです。
志々子、色んな意味で強い主人公です。
勝気で、口が悪く、喧嘩が超……いえ、鬼強い。
そんな彼女にも傷がある。
双子の姉を神隠しで失っているという過去。
「大嫌い」が最後の言葉だったこと。
後悔は十年経っても消えることはなく、今日も姉が姿を消した神社へと足を運ぶ日々。
ですがある日、彼女も神隠しに遭ってしまう。
迷い込んだ怪異界にて、志々子は化け物に殺されてしまいます。
残念ながら、物語はここで終わり―――とはなりません。
志々子は名を変え復活を遂げます。
「屍々子」として、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ゲーム化してヒロインを操作して、世界観を探索したい! 「大当たり!」
正直に言います。
この作品、冒頭からめちゃくちゃ好きです。
読み始めた瞬間に、「あ、これはもう好みだ」と直感的に思いました。
廃神社、静寂、血の匂い、そして“怪異の世界”という言葉の置き方。説明ではなく、空気ごと読者を引きずり込んでくる始まり方──
最初の数段落だけで、世界の温度や湿度、音のない不気味さまで伝わってきて、完全に引き込まれました。
「見つけた!」と思いました。
和風ホラーとしての雰囲気がとにかく見事です。
崩れた石段、首を折られた狛犬、傾いた鳥居――どれもありがちなはずなのに、この作品では一つひとつが「ここはもう人の場所じゃない!」という説得力があって、怖いのに美しい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!怒りと後悔を抱いたまま、少女は怪異へ変わる
序盤で丁寧に描かれるのは、怪異よりも人間側の醜さと孤独。
主人公の屍々子は正義の味方ではなく、ただ理不尽に殴られ、殺され、戻ってきた存在だという事。
その復活も祝福でなく、異常事態として描かれ、世界は一切優しくならないからこそ、彼女が立ち上がる姿に惹かれます。
志々子の語り口は容赦なく荒く、暴力的で、生々しいからこそ、志々子という少女の不良性と孤独が、怪異という物語とマッチしているように感じます。
感情を前面に出すことで読者を力ずくで物語に引きずり込む序盤でした。
個人的な事ですが、死の描写に関しては私が書いている作品にも参考になりそうでした。