黒い炎のアンナ ～マッチポンプ売りの少女～

あらすじ
雪の降る大晦日、マッチ売りの少女は天に召された……というのは、ありふれたおとぎ話。
もし、あの少女が死の淵で一人の老獪な詐欺師と出会い、その手を取っていたとしたら？
これは、世の中の理不尽に凍え死ぬことをやめた少女、アンナの物語。
彼女は師匠である“おばあちゃん”から受け継いだ悪魔の知恵と、最先端の科学知識を武器に、ヨーロッパ中の街から街へと渡り歩く。
その手口は、あまりにも鮮やかで悪辣な「マッチポンプ」。
自ら仕掛けた災厄の種火を、巨万の富を生む希望の灯火へと変えていく。
標的は、私腹を肥やす権力者、人々を騙す詐欺師、傲慢な貴族たち。
聖女の顔をした天才詐欺師が、偽りの炎で悪を裁く、ピカレスク・ロマン開幕。