その校則、普通に考えてコンプライアンス違反です

「生徒とは、国家の礎たる純粋な鋼鉄へと鋳造されるべき素材である」。
​生徒番号93番は、完璧な模範生として振る舞いながら、決して消し去ることのできない「自我」と「過去の記憶の断片」を密かに保持していた。ある日、校則違反――規定外のまばたき――を犯してしまう。その違反を監視していたのは、生徒番号117番。冷徹な規律の体現者として知られる彼女だった。密告されれば「思考浄化室」行き、あるいは「存在抹消」もあり得る。しかし、117番は違反を報告しなかった。
​なぜ彼女は規律に背いたのか？
絶対的な規律に支配された灰色の世界で、二人の秘密が交差する時、学園の根幹を揺るがす歪な真実が明らかになっていく。