概要
それを巡る騒動に、孤児院出身の三人が別々の道から引き寄せられる。
【一章「少年と猫」】
物心つく前に父を失ったアシェルは、英雄と呼ばれた父の背を追って傭兵になった。
上手くいかない日々の中、妙に割りの良い猫探しをきっかけに、アシェルは言葉を話す黒猫と出会うことになる。
この生意気な一匹との出会いが、少年を思わぬ事件へと巻き込んでいく。
【二章「禁書庫の夜」】
教団の寄宿学校。孤児院出身の特待生・ミレナは、上層育ちのクラスメイトたちの中に居場所を見つけられずにいた。
そんな彼女が出会ったのは、宝石のような角を持つ少女。
二人の間に芽生えた友情は、二人を封印された禁書庫の謎へと引き込んでいく。
【3章「禁書の欠片」】
幼い頃から暴力と共に
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ばらばらの物語が、ひとつの事件に収束する面白さ
オムニバス形式で章ごとに主人公が変わりながら、
読み進めるうちに一つの事件へと収束していく構成がとても面白いです。
それぞれの視点で断片的に描かれていた出来事が繋がっていく感覚に、自然と引き込まれました。
アシェル、ミレナ、テオ。
それぞれのキャラクターも魅力的で、思考や感情にしっかり寄り添える書き方が印象に残ります。
個人的には猫の使い魔フェルがとても好きです。
優秀でかっこいいのに、ふとした仕草に猫らしいかわいらしさがあってたまりません。
肉球の感触や、もふもふとした描写が印象に残ります。
一章のアシェルとのバディ感もとても良かったです。
二章ではミレナの学校生活や少女同士の関係が…続きを読む - ★★★ Excellent!!!心にグッとくるセリフや描写の数々!
過去や現状に困難を抱える少年少女が、手ごわい現実に立ち向かう姿に深く共感します。
傭兵として一皮むけたいと願うアシェル、
自分の気持ちとは裏腹に孤立するミレナ、
そして己の信条のために退けないテオ…
彼らが抱く複雑な思いに、心が吸い寄せられました。
感情の機微を緻密に表現できる作者様の才能は、天性のものだと感じます。
心が揺れ動く様、あるいはどうしても譲れないものの描き方が大変素晴らしく、読んでいる中でハッとさせられます。
その描写力に思わず手を止め、魅入ってしまうこと多数です。
この作品を通じて、多くの気づきが得られました。今後、物語がどのように展開していくのか…大変気になるので、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!背伸びをしたから分かる高み
駆け出し傭兵の主人公がありきたりな依頼を受けるところから始める、とある異世界を舞台とした短編集です。
第一作の主人公は、父に憧れて傭兵となった少年。
しかし、現実は厳しく、その日の日銭すら働いて集めなければいけない状況でした。
見つけたのは、まさに駆け出し向けのネコ探しの依頼。
けれど、蓋を開けて見れば、目当てのネコは魔法使いの使い魔。
しかも、自身のコミュニティで起こった事件を解決するまで、帰る気はないと言い張ります。
性根の優しい主人公は、依頼達成のためにもネコの要望に助力することを約束します。
果たして奇妙なバディは、問題を解決できるのか。
ぜひ読んでみてください。 - ★★★ Excellent!!!強くないからこそ得られるカタルシスがある
駆け出し傭兵の主人公は、猫探しの依頼を引き受ける
しかし、ようやく見つけた猫は、とある魔術師の使い魔である「喋る猫」だった
主人公は猫の目的を聞き、彼を手伝うことにした──というあらすじの本作品だが、チート能力も無双もなく、そこにあるのは「さして強くもない一人と一匹」という現実だ
都合のいい覚醒もなければ、御都合主義もない
しかし、それがいい
力のない存在が、力のないまま、知恵と工夫で戦うという誠意ある展開に、主人公側が強くないからこそのカタルシスを感じる人は少なくないだろう
スッキリざまぁ展開が好きな方にはおすすめできないが、面白いことに違いはない
是非一読してみてほしい