概要
『……まだ死にたくないッ!』
100年に一度、選ばれた聖女を神に捧げ続けてきた神官のルーク。
世界の秩序を守るため。聖女たちの絶叫を浴びてきた彼は、使命のために心を閉ざしてきた。
新たに聖女として選ばれた少女――エマは、そんなルークに笑ったのだ。
「この世界のためなら、喜んで命を捧げます」と。
少しずつ五感を失いながら、残された時間を楽しむエマの姿にルークの心は揺らぎ始める。
この恋に気付いた時には――もう遅い。
彼女は7日後に死にゆく運命なのだから。
「あともう少しだけッ……君の側に居させて」
閉ざされた神殿内で、人の感情が交差する。
これは大切な“何か”を得ていく死神と、全てを失っていく聖女の――たった7日間の記録。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!2人に幸あれと願わずにはいられない…🥲
完結まで拝読しました。
未読の方は絶対ネタバレ踏まない方がいいです。私も頑張ってネタバレしないように書きます🥲
2人には結ばれて欲しい、けどラストは本当にしんじゃうの?(´;ω;`)というドキドキで読み進めました。
切ない。最初から切ないラブストーリーになるということは分かりきっているのに、主人公二人の感情描写が上手すぎてしんどくなる…(超褒めてます)
物語の舞台設定も緻密で、魔法やその世界観などファンタジー要素満載なのに、メインはあくまでも恋愛という…。
何より作者様の文体がすごく好みです。読者様に配慮していただいてるのが伝わって良き…。他の作品も読んでみたいなあと思っている次第です。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!絶望へと向かうページが止まらない
聖女として神への生贄となった少女。
彼女は7日間かけて、五感を少しずつ失って行く。
監視役のエルフと共に優しくも残酷な7日間を紡いでいく。
ページを捲るごとに状況は悪化し、優しい時間からかけ離れていく。
どこまでも悲しくて、残酷で、非情な現実のみを突き付けてくる。
それでもページはどんどん進んで行って、あなたは自然と完結まで読んでしまうことでしょう。
繊細で柔らかな文章は読者の心にスッと入ってくる。
今を生きること、当たり前に感謝すること、他人を愛すること、自分を赦すこと
まさに「生きること」を見事に手軽に読める文字数で書かれていることに心からの敬意を表したい。
凄い作品です。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!心が触れ合う刹那と永遠の恋愛ファンタジー
初めから別れが来るとわかっているエマとルークの二人が、それでも少しずつ距離を縮めていく姿がとてもかわいらしいものでした。特に相手がいないときにお互いのことを思い浮かべるシーンは素敵でした。
二人が想い合えば想い合うほど、最初から決まっていた別れの日が暗く重いものになっていきました。想いによって世界の姿や自分自身の意味、別れの意味がどんどん変わっていくのが鮮やかで、二人が幸せであればあるほど結末の苦しさを想像できてしまって切なくなってしまいます。
そして、物語の結末でのルークの行動はとても衝撃的なものでした。それと同時にとても美しく、切なく、強い想いと覚悟に言葉を失ってしまいます。
とても…続きを読む