概要
強すぎるが故に満たされない闘争本能を抱えるフィジカルモンスター、西城紫苑。
この世ならざる魑魅魍魎──怪異を喰らうことで記憶がよみがえる非力な人外女子、真帆。
紫苑はまだ見ぬ強敵と戦うため。
真帆は失った記憶を取り戻すため。
それぞれの“飢え”を満たすべく、なにもかも正反対な二人が手を組んだ。
2020年の日本を舞台に、異色のバディが躍動する怪異討伐譚!
*近況ノートにキャラクターの外見やプロフィールを載せています。ご興味ありましたら、ぜひどうぞ!
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!緻密な世界観と魅力的なキャラクター、圧倒的完成度の怪異バトル
まず驚いたのは、宗教、歴史、民俗学、映画知識……などなど、作者様の豊富な知識と経験に裏打ちされた完成度の高い世界観です。
人生の中で培った膨大なインプットの量を、独創性と説得力を併せ持つ素晴らしい作品に昇華されているのではないかと感じました。
文章力も素晴らしく、大都会の喧騒や、打って変わって田舎の風景、また、敵として現れる怪異のおどろおどろしさ、すぐ情景が浮かぶようでした。
「読書すれば多少は身につく。あと分かんねえことがあったら辞書を引け。自分で調べる癖つけたほうがいい」
こちらは主人公、紫苑の作中のセリフです。
彼女はフィジカルお化けなだけじゃない。読書が趣味で、知識豊富なのです。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!怪異だけがふたりを繋いでいた。お互いを知るまでは。
怪異がいた。
人を殺していた。食らっていた。
西城紫苑という女性がいた。
暴力を行使していた。
闘争を求めていた。
彼女は怪異に遭い。
物理的な運動エネルギーで
怪異を打倒した。
彼女の行動理由は、同等の戦闘力を有する存在と戦うこと。
その闘争への渇望だった。
真帆という少女がいた。
自身の過去を知らない者であった。
彼女は怪異を探知する。
そして怪異を摂食する事で自信の記憶を得る。
彼女の行動理由は、自身の記憶の獲得だった。
ふたりは出会う。
必要なものは、互いが持っていた。
〝簡単だろ。私が怪異をぶちのめして、アンタがそれを喰らえばいい〟
ガールミーツガール、ミーツ怪異…続きを読む - ★★★ Excellent!!!歪な黄金比率を叩き出す!目眩く彼女と彼女の事情。
嘗て、京浜工業地帯と呼ばれた海沿の町。
今や再開発の煌びやかな商業施設が
建ち並ぶ。その、路地裏の半ば空き地と
化した自動車解体工場で。
恐ろしく強い少女が暴れ回る。
暴力と死と生をごった煮にした様な世界の
中では、唯一の相棒は自らのフィジカル
ギフテッドだけだった。
一方で
怯え逃げ惑う、記憶を無くした少女が
荒ぶれ果てた路地へと迷い込む。
唯一の道連れである不安を抱き締めながら
無くした過去に怯えながらも、同時に
それを強く望む。
この二人の少女が、出逢うべくして
相見えた時。
運命と物語とが大きく動き始める。
単なる異能女子二人のファンタジーの枠に
到底…続きを読む