概要
私はいったい何者なのでしょう・・・?
警察精神病棟に一人の異常者がいる。自分が誰なのかわからず、時により全く違った人格となる。彼はかつては少し名の知れたこともある俳優。世間を戦慄させた、ある事件を起こして運ばれて来た・・・。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!~「演じること」と「狂うこと」の境界線が、溶けていく ~
精神病棟で延々と役を演じ続ける元俳優——この設定だけで、すでに「現実とは何か」という問いが物語に内蔵されている。
過去と現在が交互に描かれる構成が巧みで、山口政治が何者であり、何をしたのかという謎が章タイトルの問いかけ形式(「そして山口政治とは誰なのか?」「いったい私は何者なのか?」)によって一話ごとに深まっていく。読んでいる側も山口と一緒に虚構と現実の間で揺らがされ、気づけば「見事に騙された」という読後感が待っている。
1985年という時代設定と昭和の芸能界の空気感は、『1980:ダブル・ファンタジー』や『MARIKO』と地続きの星ジョージワールドだ。しかし本作はよりサイコロジカルな深…続きを読む