概要
一年後、復帰を目指し莉莉亞は懸命に奔走するが世間の目は冷たく再起はかなわない。友達だったメンバーに見捨てられ、ファンも次第に離れ、歌手として致命的な疾病も発覚し…
絶望に打ちのめされながら、たった一人残ったファンに支えられ、莉莉亞は最後にラ・クロワのオーディションに挑む。
「もう一度ガラスのくつをはいて歌いたい」そう願った少女が最後に見たものは……
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!すべてを失った歌姫がみせる最後の跳躍。その残酷な美しさ。
アイドルグループ“ラ・クロワ”。
かつてこの「聖なる歌姫たち」の一員だった莉莉亞の転落は、現代社会がたった一度の「過ち」すら決して許さない不寛容さの象徴と化します。居場所を追われ、病によって自分自身すらゆっくりと捨ててゆく莉莉亞。それは作者の言うところの遠藤周作がどうしても見過ごせなかった「棄教者」の傷と孤独そのものでした。
圧倒的な歌唱力すら許されぬ理不尽な世界で、彼女が最後に辿り着いたのは、たった一人のファンとの細やかな絆。地位も名誉も正気すらも失った果て、彼にすがった彼女が窓の外に見つけた「光」。
これは挫折を愉しむ物語ではありません。不条理の中で魂が死にゆく瞬間に、それでも栄光へ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ガラスのくつが砕け散るとき
この物語を読んだ読者の多くが抱くのは、おそらくやり場のない悲しみや怒り、そして深い問いかけであろうかと想像します。ですがそれはこの物語が「心に重く響く物語」であることの証明であり、同時に作者がこの作品に込めた魂への共感です。
かつて「ラ・クロワ」の歌姫として輝いていた姫咲莉莉亞は、スキャンダルによって芸能界から追放されます。かつての仲間やファンに見捨てられながらも「もう一度ガラスのくつを履いて歌いたい」と願い続ける莉莉亞。再起を目指しても、世間の冷たい視線とSNSでの誹謗中傷や炎上、そして業界の厳しい現実が彼女を容赦なく打ちのめします。たった一人残ったファンである平瀬敦志に支えられて、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!スポットライトは一方向。輝くアイドルの後方には暗闇。
才能があれば幸せ? 生まれつき才能をもらっているのはずるい? それなら才能は踏みにじられるのが結果平等?
才能には人と金が群がります。しかし、あくまでも投資であり、利息をつけて回収するのが目的なんです。回収できないと見なされれば……
これは才能以外はほとんど何ももらえなかった女の子のお話です。人は去り、常人より厳しい出来事に見舞われ、しかし才能だけは本物。
プラスマイナスでちょっとマイナスの普通の人? とは成りません。輝きに眩んだ目を閉じ、うっすら開けると、直視しがたい闇を隠すべく涙が目を覆います。
成功しているアイドルも人として幸せとはいかないようで。彼女たちが売るのは自分の才能。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!これはアイドル小説の金字塔になる!
アイドルを応援していた人、歌が好きな人、苦しくてもその先の幸せを信じる人、他にも色々な人へ。
アイドル小説の名作を書いた作者さんの新作です。
先に書かれた作品、「デブオタと追慕という名の歌姫」はサイトでも高く評価されていて、すでに読んだことがある人もいると思います。
そちらは無名の少女とパートナーが成長するサクセスストーリーでしたが、今作は人気絶頂の歌姫 "莉莉亞" が一夜の過ちから冷たい現実に突き落とされます。
辛くとも気持ちを奮い立たせる莉莉亞は、普段の言動から歌姫としての技量や誇りがにじみ出ていて、描写は重苦しくも気丈です。
展開は辛いですが、逆境を乗り越えたくなるような読み…続きを読む