概要
彼はコンカフェで「推し」を見つけ、嵌っていく。
依存し、執着し、そして狂っていく。
彼は、何故あれほどまでに「推し」に狂っていったのか。
そして私は、あの時何をしてあげればよかったのか。
推し活の光と闇を描いた「推し」小説。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!軽妙な語り口の裏に潜む、おぞましい「狂気」へのカウントダウン
一見、男友達同士のよくある秋葉原の思い出話や失敗談のように見せて、その実、一人の男が底なしの沼へと引きずり込まれていく引き金を引いてしまったという、極上のノンフィクション・サスペンスとしてのゾクゾクするような導入です。
また「小田和正」から始まる、取り返しのつかない後悔の念が面白い。
「あの時、あのコンカフェで、何をしてあげればよかったのだろう?」という冒頭の一言が、この先に待つ破滅的な結末を強烈に予感させます。
ギャンブルや失恋といった自業自得の失敗とは次元が違う、「人の人生を狂わせてしまった」という重い十字架が読者を惹きつけます。 - ★★★ Excellent!!!友人が推し狂いになってしまったら?
主人公(私)が友人(彼)に推しを作ろう、と提案したことをきっかけに、コンカフェ依存になった友人を描いた作品。
彼はメンヘラでコミュ障で嘘つき。
推しのコンカフェ嬢に対し、甘えたりマウントを取ったり激しく嫉妬したり歪んだ愛情を見せます。
不誠実な態度を見せる彼に呆れる主人公ですが、彼の異常なまでのコンカフェ依存に誘った自分にも責任を感じ、自分が後悔をしないためにもと彼に説得を試みます。
視点が依存している本人ではなく客観的に見ている友人という立場なので、彼の言動に都度ツッコミが入っていて、イライラモヤモヤし過ぎずに読めて面白かったです!
……と、前編はそんな感じなのですが、後…続きを読む - ★★★ Excellent!!!鏡合わせの二人が紡ぐ、痛切で愛おしい人間ドキュメント
狂気に満ちたコンカフェ沼への没入と、その裏に潜む人間の脆さを圧倒的な解像度で描き出した傑作エッセイです!
まるで緻密なテストケースを検証するかのように、ゆーくんの心理的バグを論理的に紐解いていく構成が見事。
それでいて、冷徹な観察者であるはずの筆者自身の弱さや、友への割り切れない愛憎が随所に溢れており、二人の不器用な生き様にたまらなく愛着が湧いてしまいます。
単なる転落劇にとどまらず、心理学的な深みと読者自身のエゴをも抉る鋭利な視点を持つ本作。
人間の複雑なグラデーションを味わい尽くせる、極上の読書体験がここにあります!