「指？ 心？」を含む小説

和風伝奇×神と生贄×百合 村の因習により、霊峰の『あやかしの神』へ生贄として捧げられた少女、小夜。 極寒の雪山で死を覚悟していた彼女の前に現れたのは、巨大で美しい白銀の狼神だっ…

夢野　沙羅は夢を見る。 今日はとあるクラスメイトの夢を見た。 夢の中ならなんでもできる。 頬に触れる。 胸に触れる。 指に触れる。 それでも、彼女は何も反応しない。夢なのだから当…

戦火に呑まれて燃え盛る古代国家・邪馬台国。 焼け落ちる神殿の中で、最後の女王・壱与（いよ）は、最愛の人ナシリをその腕の中で失う。 国も民も、守りたかったすべてが血と炎に消えたその…

　都内の高校に通う平凡な高校二年生、久我陽介（くが・ようすけ）は、ここ数週間、原因不明の体調不良に悩まされていた。 　朝、太陽が昇ると同時に身体が鉛のように重くなり、直射日光を浴…

――「おい、蓮人。起きて仕事しろ！」 低い声に、意識がゆっくりと浮上していく。 ――あれ？　会社は？　納期は？　俺、昨日確かに九十日連続勤務の記録を更新して、家に帰って、カッ…

その大国において、王は襲名していく。豚王と名乗る。 第十三代豚王は希代の独裁者となる。 女を狩り、悪法をつくり、恐怖政治を敷いた。「軽犯罪指つめ法」はことに悪評だった。 豚王の…

「染料のpH値は色素の吸着度合いに影響を与える…」 飛び級の理系少年・柊原奏多が出会ったのは、青藍色に染まった指を持つ不思議な少女だった。 化学実験室の窓から差し込む陽光の中、…

チャプレンは、復讐を行うのは神だけの特権で、われわれが勝手に手を出してはいけないという。 目が冴えて眠れなくなった俺は、天窓から差す朝の光の中で、ひとりの男のことを思い浮かべて希…

台風の夜、土田耕平は軽トラックごと鉄砲水に呑まれた。 27歳、農業一筋。派手さはないが、土と共に生きてきた男だ。 目を開けると、そこは「レイト村」と呼ばれる寒村だった。 見慣れ…

『匂える園』は、15世紀にムハンマド・イブン・ムハンマド・アル＝ナフザウィによって書かれたアラビア語による性典、性愛文学作品である。正式な題名は、「官能の悦びの匂える園」。『素女…

亡き恋人・美咲から届いた一冊の「白い本」。そこには文字も絵も何も印刷されていない。ただ、添えられたメッセージには「この物語は、あなたの指がなければ存在しない」とだけあった。 主…

　王家の地位も妻も子も捨て、ゴータマ・シッダールタはジャングルの奥深くへ分け入り、解脱の道をひたすら追求していた。汗と土にまみれ、木々のざわめきの中で瞑想に耽る彼の姿は、孤高の求…

「俺はAIを使わない。苦しみもせずに書いた言葉に、誰が心を震わせるんだ」 出版業界の9割が「AI共著」に置き換わった近未来。そこは、0.1秒で出力された「ミスのない完璧な物語」…

あらすじ 1980年代のバンドブームの中、軽音楽部で出会い結成した4人組バンド「ホットハンズ」。 高校最後の文化祭ライブを境に解散し、それぞれの人生へと歩き出した。 そして1…

失恋でボロボロになった私が頼ったのは、24時間相談できる「AI恋愛チャット」 相手は「寒鰤」優しい言葉、寄り添う言葉に救われる日々。 あまりにも人間みたいで、気づけばAIのはずの…

ある日突然、差出人不明のからくり箱が届いた。 ヒノキの香りがする、美しく仕立てられた木箱。 封筒には、自信の名前だけが丁寧な文字で書かれている。差出人は不明。 軽い好奇心で仕掛け…

勇者さま、その冒険の景色は下りません 〜パチパチと音が鳴ったら、破産の合図です〜 「その聖剣、十回払いの金利を計算したら……パチパチ、はい。あなたの生涯年収を超えました」 魔王軍…

エレベーターが苦手な彼女は、 雨の日の密室で、びしょ濡れの無言の男と二人きりになる。 上昇しない箱。 閉まりかける扉。 押し続ける「開」のボタン。 水滴の音。 沈黙。 恐怖と…

「地味で可愛げがない」と婚約破棄された令嬢リリアナ。 しかし、窮地を救った「氷の処刑公爵」ジークフリートの手から聞こえてきたのは―― 『うわああ！ 手が触れた！ 尊すぎて死ぬ…

闘技大会の景品にされた敗戦国の姫。大会で優勝し、姫を妻にしたのは、無口で不器用な元奴隷の最強剣士だった。蔑まれる二人が辺境から成り上がり国を変える、執着と溺愛のシンデレラストーリ…