インドの官能（古代～近世官能シリーズ①）

　王家の地位も妻も子も捨て、ゴータマ・シッダールタはジャングルの奥深くへ分け入り、解脱の道をひたすら追求していた。汗と土にまみれ、木々のざわめきの中で瞑想に耽る彼の姿は、孤高の求道者を象徴していた。ある日、ジャングルの湿った空気の中から、夢魔が現れた。夢魔は人間を超えた美貌と淫靡な香りを漂わせ、半透明の肢体を揺らしてゴータマの前に立ちはだかった。

　夢魔はゴータマの無視を意に介さず、薄絹のような衣を剥ぎ、豊満な乳房と滴る花芯を彼の眼前に晒した。「女犯の戒律とやらを守ろうとしているな？だが、考えても見なさい。妾はこの世の女ではない。生き物ですらない夢魔だ。たとえお前が妾を犯したとしても、それに溺れなければ戒律を破ったことにはならぬよ」と甘く妖しい声で囁いた。夢魔の声はジャングルの風に乗り、ゴ…続きを読む