「切ない 短編」を含む小説

渋滞の車内で聴いていたラジオから、忘れられない名前が流れてきた――「蜂つきわたあめ」。 夏祭りと花火の思い出が、電波を通してよみがえる。 過去と今が交錯する、切なくて甘いショート…

お彼岸と十五夜が重なったある日。 それは「私」にとって特別な夜だった。 ＊横読みでも楽しめるようなレイアウトにしていますが、縦読みの方が読みやすいかもしれません。

クラスに馴染めない僕は、困り顔のウサギを描くことで、自分を慰めていた。いつもの教室、いつもの悪ふざけ、どこか冷めたピザのようなのに，平和な教室。そして彼女はなぶられていた。 嫌気…

これは私の七年間の片思いの終着駅 「失恋ソングは歌えない」の続きのお話

内向で天然な妹・桃沢うさなにとって、ツンデレで口の悪い双子の姉・桃沢ねこなの存在は、光でもあり、小さな棘でもあった。「どうせあなたには無理」「私がいない方がいいのに」――そんな姉…

ダンスパーティは苦手。でも、彼も入り口で躊躇っていた。

三月下旬から四月上旬の深夜、福井県某所の桜並木のある一角に、一人の女子高生がいるという噂があった。 もしかしたら、あの子かもしれない。 なら僕は、もう一度会わないといけないーー。…

世界の負の感情を癒やすために造られたAI歌姫エリー。 彼女の歌は人々を救うほど、美しく壊れていく。 彼女を支えるのは修理係のアージェル。 世界が光を取り戻すほど、彼だけが苦しみ…

王とシャルロッテの婚儀が滞りなく済んだ後、開口一番に王は言った。 『あなたを愛することはない。わたしには愛する人がいる、すまない』　 王にはすでに愛するひとがいた。政略結婚で…

結婚を控えた同僚に誘われ、郊外にある白い家を訪ねた。 そこに住むのは、静かに微笑むだけの男で、かつての同僚の「想い人」だった。 それぞれが、それぞれの喪失と痛みを抱え、それでも人…

探し物をする朝。探してるうちは決して見つからない。

七年前に気づかなかった恋に、今、気づく。 でも、彼女から届いた手紙が、優しい嘘で、始まらなかった恋の終わりを告げた。

~~~ Caféteria abcb 店内窓際３番テーブルにて ~~~ 「なあ、後輩」 「なんですか、先輩」 「この店の名前、なんて読むんだ？エービーシービー？」 「っふふ、そ…

ちょっと切ない女の子同士の関係を、言葉遊びをしながら表現をしていく短編集です。 基本的に一話完結。同じキャラが複数の話に登場することもあります。 肉体関係もあったりなかったり。

大学3年生の夏、市野(いちの)に彼女が出来た。 今日はそんな市野をお祝いする飲み会、その帰り道ずっと想いを寄せていた牧(まき)は市野にキスをせがんで…

逃げようって、愛してるって、言えたなら。

七月の放課後。プールの塩素と埃の匂いが混じる教室で、僕は彼女――水瀬（みなせ）に心を奪われていた。 友達以上、恋人未満。壊れるのが怖くて踏み込めない「拳二つ分の距離」を保っていた…

サクッと読める短編小説の詰め合わせ。 基本的に1話読切です。 隙間時間にぜひ。

泣ける短編小説です。恋愛なし。

昼寝中の私にかかってきたのは“オレオレ電話”。 助けを求める声に飛び起き、急いで指示に従うものの、なんだかちょっと様子がおかしい。