本編のある場面を別視点で語る外伝という形式が活かされていて、シャルロッテの華美な装いの裏にある「逃げ場を作るための蓄財」という行動の意味が、本編だけでは見えなかった部分まで補ってくれます。
王の告白を受け止め、表向きは穏やかに振る舞う場面の静かな絶望感がよく書けていました。愛されなかった彼女の唯一の救いだったはずの娘との距離が、些細なすれ違いから少しずつ開いていく様子も、説明的にならず自然に伝わってきます。
本編既読者にとっては、あの場面の裏にあった王妃の孤独を補完してくれる、丁寧な外伝だと思いました。