乙女たちのサロン、ではございますが……
- ★★★ Excellent!!!
主人公の優雅な語り口に油断していると、足元から冷たいものが這い上がってくる。
無邪気な「恋のお話会」で語られる初恋は、甘やかで、切なくて、そして静かに狂っている。
恋の思い出が、いつの間にか「別のもの」へと変質していく転調が鮮やか。
ラストの静けさが逆に恐ろしく、読み終えたあとも余韻が残る。
最後の一行まで、主人公の微笑みが頭から離れない。
上質なサイコホラーを短い尺で味わえる一作。