巨人伝説

病気の母を看病しながら、慎ましく暮らす村娘。
遠方には聳え立つ岩山がある。

『でいだら山』

その奇妙な形状から、人々は山を『天を支える巨人』に例えて畏怖の念を抱いた。

ある日、村を一人の男が通り過ぎる。
男は長さが一里(約四キロメートル)もある大長物を引きずっている。
そのインパクトたるや。

膿んだ傷を思わせる里の伝承。
そこにメスを入れるかのごとく、男がとった行動とは――

娘を通して、読者の視線は小さな集落から壮大な岩山へと誘導される。
日本の里山の風景と、そのスケール感を堪能できる一作。

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