心が弱った時にこちらを読むと、3cm上を向いて歩こうという気分になる。

短編のレビューは非常にむずかしいのですが…とっても推したいので書きます。

こちらの短編は、自分の心が弱った時にこそ、3cm上を向いて歩こうという気分にさせってもらえる作品です。

「ごめんなさい」を口癖のようにしてしまった主人公の語りから始まります。
必要とされない人間と根付いてしまった心の闇は深く、それはまた新たな負の感情と反射的に自分が悪くないのに謝るという行動を呼び寄せます。

そんな中で降る雨。
傘もない、自分は転がされたキャンディのようにちっぽけだと鬱々とした主人公の前に降り注ぐ飴。

空から飴が降ってきた。上を見ますよね。雨ではなくて飴です。
包み紙をひらいてそっと口に入れた瞬間の味。
主人公のつぶやきと共に垣間見えた笑顔は、3cm視界を上にあげてくれます。
もうあなたはキャンディの存在ではないのだよと。

足元を見てばかりだと必然的に気持ちも沈みます。そして気持ちが沈むと悪い気しか寄ってこないので「ついてない人生」になっていきます。
かみさまがくれたご褒美とともに、こちらの短編で沈んだ気持ちを3cmあげられますように。素敵な作品をありがとうございました。

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