危険に踏み込み、緊張は極限へ。彼女の未来に待つのは破滅か再生か

 読み始めてすぐ、ハラハラさせられます。

 主人公のさくらは失恋を遂げた後、ショッピングモールの中で奇妙な「頼み事」をされることになる。
 トイレにいる妹のところに下着を届けてほしい、と紙袋を渡される。そして謝礼として一万円を渡されるという。

 怪しすぎる。

 その人物はトイレの方までついてこないし、下着が入っているにしては重すぎる紙袋。更に謝礼まで渡された段階で胡散臭さが異常なレベルに高まる。

 間違いなく、これは「闇バイト」だと気付き、その金を奪って逃げることを決める。

 どうなってしまうのだろうと、ここからもう怖いもの見たさが強烈に刺激されました。闇バイトのお金なんか奪って、何か怖い存在に目をつけられないか。

 そんな緊張感を持って読み進め、思わぬラストへ。

 なぜ、彼女はこんな大胆な行動を取れたのか。彼女を突き動かしていたものはなんだったのか。そういう全てのピースが繋がり、茫洋とするような終焉へ。

 最初から最後まで強烈に心を揺さぶられる作品でした。