読み始めてすぐ、ハラハラさせられます。
主人公のさくらは失恋を遂げた後、ショッピングモールの中で奇妙な「頼み事」をされることになる。
トイレにいる妹のところに下着を届けてほしい、と紙袋を渡される。そして謝礼として一万円を渡されるという。
怪しすぎる。
その人物はトイレの方までついてこないし、下着が入っているにしては重すぎる紙袋。更に謝礼まで渡された段階で胡散臭さが異常なレベルに高まる。
間違いなく、これは「闇バイト」だと気付き、その金を奪って逃げることを決める。
どうなってしまうのだろうと、ここからもう怖いもの見たさが強烈に刺激されました。闇バイトのお金なんか奪って、何か怖い存在に目をつけられないか。
そんな緊張感を持って読み進め、思わぬラストへ。
なぜ、彼女はこんな大胆な行動を取れたのか。彼女を突き動かしていたものはなんだったのか。そういう全てのピースが繋がり、茫洋とするような終焉へ。
最初から最後まで強烈に心を揺さぶられる作品でした。
最大のピンチが、最大のチャンスに変わってしまう人がおります。
それも飛びつきたくなるようなチャンスに……。
主人公は雨が嫌いでして、
というのも、雨の日に異性に降られた、違うフラれた経験が多いために雨が降ると嫌な思い出が増えていくからなのだとか。
この日もそうにございました。
「他に好きな人ができたから」などと捨てられ一人雨の中。
そんな時にございました。いかにも怪しいのに声をかけられたのは……。
それは、上手い話に見えて、やや露骨ないわゆる闇バイトだということに気がつくのに時間はかかりませんでした。
しかし、主人公はこれをピンチではなくチャンスだと、捉えるのでした。
まあ、このお話にオチをつけるとするならば丁度良い言葉がございますよ。
すなわち、
「お天道様はちゃんと見てるぞ」と。