知識がないまま現場に投入! 神様も踊り役も本当につらいよ……

 神様が可愛い! もう心の声に触れていくだけで気持ちがほっこりします。

 里住という土地で「踊役」となった青年踊始(おどり・はじめ)くん。神様に捧げるための踊りを踊らねばならないのだけれど、どうやって踊ればいいかもわからないために困惑する。
 そんな中で「神様」と思われる女性がいるのを見つけてしまい、何か失礼をしてしまわないかと焦りを覚えるが……。

 前編では始くん視点での神様との遭遇。後編では神様の視点で始くんのいる土地に赴任するストーリーが描かれます。

 二人がそれぞれの思惑(というか勘違い)をしながら対面することで、すれ違っているようなうまくマッチしているような独特な状態が作られるのが微笑ましい。

 そしてなんといっても新人の神様のあたふたした一生懸命さが可愛らしくてすごく好きになりました。
 新人に対する神様たちのやり方が微妙に厳しくて、「どんな仕事をすればいいか」と質問されると、「そんなのは自分で調べさない。最近の若い子は!」と怒られる。

 ……まずいぞ、この神様の世界、微妙に「就職氷河期」の頃の雰囲気が!
 多分、神様の世界はベビーブームか何かの後で、就職は買い手市場なんだと思います。

 そんな風に「知識」のないまま突然現場にぶち込まれることになった始くんと神様。二人がとにかく一生懸命で、気持ちがほっこりする作品です。
 一年の始まりのこの時期に、とっても楽しい気持ちになれました。

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