「月が綺麗ですね」に変わる新しい愛の言葉なのではないでしょうか?
雨のひに、隣にいる意中の人にこう言ってみましょう。「いい天気ですね」
これねえ、実は自分も若かりしころやった経験があるんですよ。
その相手? 今の奥さんです。
なんて話になったら、そらもう美談なんでしょうけれどもまあそんなわけはなく、
若干気持ち悪がられてどっちかというとトラウマですかね。
全く関係ないマクラを挟んでしまいました。
主人公には悲しい事情があり、どうやらお父さんとお母さん、どちらかを選ばないと毛ないらしいです。子供に押し付けるには残酷すぎる選択ですよね。
そして一人雨に打たれていた時に、彼はやってきて、なけなしの優しさを分けてくれたのでした。
お互い寂しい一人ぼっち。
世の中はどこまでも孤独で寒い。
そりゃあそうだ。皆独りで生きているんだから。
でも、独りだからこそ……
寂しいもの同士だからこそ、
雨の日に相合傘ができるのだ。
寒い日常に、冷え切った心に灯火とズキューンを。
ご一読を。
「雨の日だからこその温かさ」があるということ。改めて思い出させられる感じがしました。
主人公の少女きりえは、幼い頃に両親が離婚することになり、一人ぼっちで悲しんでいた。そんな雨の日に一人の少年が現れ、悲しむ彼女のことを傘に入れてくれた。
彼に恋心を抱くようになり、数年後に転校生として同じ学校に入ってきたのと再会する。しかし彼は昔とは違っていて、誰とも打ち解けない性格になっていて……。
優しさを向けられたこと。それで心を救われたこと。
そんな風に「大切な何かを貰ったこと」が雨の日の記憶としてあたたかなものとして描き出されている。
それをずっと大事にし、恋心を抱いていた少年のことを気遣うようになる。
雨は冷たくて、塞ぎこみやすいものだから。そんな中で落ち込んでいる人はとてもわかりやすい。
だからこそ、そんな誰かを助けてあげたいと思える。そういう「優しさ」が見えやすくなる時だとも言えます。
誰かの心を根本的に救うのには、大変な労力がいるのかもしれない。それでも、「一人じゃない」ってことを伝えてあげるためには、ほんのちょっとの気持ちがあれば出来るのかもしれない。
雨の日の「傘」というのは、そんなあたたかさを持ったものなのかもしれない。そういう事実なんかもありありと考えさせられて、とても健やかな気分になれる作品でした。