ソイツ

ソイツは影を潜めている。
けど、たまに現れる。

かつて、ヨーロッパの小国にチョビ髭の男が現れた。
彼は演説が上手かった。
彼の言葉に、人々はシビレた。
そのシビレは伝染し、
世界を巻き込んだ、大きな争いが始まった。
争いは暴力を正当化する。
さっきまで優しかった夫が
銃を握る。

ソイツのせいだ。

時は経ち、
ソイツは影を潜めている。
力を蓄えている。

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