概要
年に一度、死者の記憶を再現したAIと再会できるシステム「メモリア・プロトコル」。リナは亡き恋人・ダイゴとの束の間の逢瀬を楽しみにしていた。
しかし今年の再会で、彼は突然「アップデートの拒否」を告げる。それは、システムによるデータの完全消去――AIとしての「死」を意味していた。
「AIとして進化するほど、オリジナルの俺じゃなくなっていくのが怖いんだ」
永遠の命よりも、人間らしい死を。そして何より、リナを過去から解き放つために。
ウィンドウ越しに、二人が選んだ最後のサヨナラ。切なく温かい、純愛SF。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!蓄音機に耳を澄ます犬
ビクターマークの由来をご存知だろうか?
蓄音機から聞こえる声に、怪訝そうに首を傾げ、耳を澄ます犬。
ニッパーと呼ばれたフォックステリアは、かわいがってくれた最愛の飼い主が亡くなってしまい、飼い主の弟に引き取られた。
引き取られた家の蓄音機から聞こえる、かつての飼い主の声。
ニッパーは、その懐かしい声に反応し、怪訝そうに首を傾げ、ずっと耳を澄ませて、聞き入っていた。
犬は非常に耳が良い。
そして、飼い主への忠誠心を決して忘れない情の深い生き物。
このお作品。
読ませていただき、
ビクターマークの犬、ニッパーを思い出しました。
誰もが最愛の人が亡くなったとき、その面影を求めます。
会いたい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!必要なのは、記録か? 記憶か?
スワンプマン問題。
ある日男が、沼の近くで雷に打たれて死んでしまう。
しかし、雷のエネルギーと、沼の物質によって、『全く同じ記憶、構造、分子』を持つ男が誕生する。
……が、この男は、本当にこの男と呼べるのだろうか……?
物語の世界線は、ついにAI技術が発達し、『死者』とも会話できる時代。
その名も『メモリア・プロトコル』
幾度もテストを重ねたそれは、ほとんど本人と呼んでも遜色ないレベルにまで進化していた。
主人公リナは、亡くした恋人ダイゴと、今はこの『メモリア・プロトコル』にて会話をしている。
ここにいれば、ダイゴに会える。
ダイゴと同じ記憶を持った、リナを愛してくれるダイゴ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ただ静かに、永遠に
どーうしましょう……。
紹介文で泣くのを覚悟し、作品を読みはじめて早いうちに切なくなり、それからはもうずっと読みづらくて……だって見えないのです、画面が、文字が……。
やっと読み終えましたが、本当、どうしましょう……。
ただただ、ひたすらに純粋で、あたたかいお話です。それだからこそ、泣けてしかたないのです。
10月31日。ひとびとは1年のうちでこの日だけ、遠くへ逝ってしまったひとに会える。
大好きな姿を見て、大好きな声を聴いて、今までとなにも変わらないふうに、ふれあえる。
離れてしまったひとと会えるのは、AIが、そのひとの生前の情報を記録して、再現しているから。
アップデートすれば、そ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!あのときの二人に
最近AIが勢いを増していますね。
使い方次第という見解や、脅かされる恐怖感。
賛否両論ある気がします。
しかし……
亡くなった大切な人に会えるなら?
その人の記憶や外見を「データ」としてAIがとりこんで、再会できる。
レビュワーは、このような進化なら良いなぁ、と思って読んでおりました。
ですが――――
二人が決めた未来は違ったようです。
生前の「本人」なら言いそうなこと、考えそうなこと。
性格を極限までシミュレーションした先に、何があるのか?
最近の会話を「データ」としてアップデートした「モデル」は、果たして何者なのか?
かなり考えさせられる二人の物語…続きを読む