そして、焔の加護を得る。

不思議で温かく、そして和の中にも何故か
素敵な外つ国の空気をも感じる
 お洒落な物語を書く作者の、これ又
素晴らしいセンスが光る短編。

エミューを飼う友人。その卵を食用にと
貰い受ける主人公、その名も 橋広コウ。
ハシビロコウ=女性 である。

このエミューの卵から、純白のドラゴンが
生まれてしまう。猫ぐらいの大きさ、
そして、龍ではなくてドラゴンだから
四つ足。西洋の御伽噺に出て来る、竜だ。

彼らはドラゴンを交えて、囲炉裏のある
古民家を借り受ける。そして、暖かい炎の
中で、
    更なる不思議を見る。

何とも言えない穏やかな温かさと、
ドラゴンの不思議。本来、竜たちは幻想の
世界に棲まうもの。けれども、それは
ふとした、全く予期しない時に顕現する。
一度、目の前に現れた竜は必ず何かを
齎してゆく。それがまさに 変化 であり
竜の真骨頂だ。

この作品を読む我々の心にも、きっと
何某かの素敵な変化が齎されるだろう。
   それは寒い季節を暖める何か。

和の情緒と感動に溢れる、作者の既出作
【龍がいた季節】とは又違った趣きの

   冬の 竜 のはなし。


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