10年務めた事業所の閉鎖から直営化への動乱、突如勃発するトラブルや人道とルールの狭間で揺れる従業員解雇、果ては暴走する「AI発注システム」との壮絶な死闘まで。次々と襲いかかる苛烈な現実に立ち向かう、エッセイスト・碧銀魚氏による怒涛のお仕事ドキュメンタリーです。
一歩間違えれば悲壮感が漂うようなハードなシチュエーションの連続ですが、著者のユーモアあふれる軽妙な語り口と、タフで温かいお人柄によって、ページをめくる手が止まらない極上のエンターテインメントへと昇華されています。
現場で汗を流す社会人のリアルな苦労と奮闘、そして泥臭くも味わい深い人間ドラマが凝縮された本作。日々仕事や人生の荒波とたたかうすべての人へ、クスッと笑えて勇気と元気が湧いてくる一冊として心から推薦いたします。
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帝王の星が招くのは、幸運か、それとも破滅か?「五黄の寅」の運命。
「全人類最強の運勢」——そう聞けば誰もが羨むでしょう。私も羨ましい。
しかし、本作の著者・碧銀魚氏が語る「五黄の寅」の現実は、想像を絶するジェットコースターでした。
どんなジェットコースターか?というと安全バーがあるはずなのに「スピードと勾配が通常の3倍」という代物で、安全バーが仕事をしない速さです。
本作は、とある事業所の長を10年務めた著者が、2025年に起きた未曾有の事件に巻き込まれた事実と事業所閉鎖までの裏側を、九星気学の視点を交えて描く実録エッセイです。
面白いのは、単なる苦労話に留まらない点。リーマンショックでの打撃、愛猫クズハちゃんとの心温まる出会い、そして運勢が「八方塞」の経営者との決定的な星の巡りの相性の悪さ……。
個人の努力では抗えない「運命の歯車」が、小気味よいテンポと鋭い洞察で紐解かれていきます。
特に、職場を「生き物」と捉え、その死と再生を看取るラストシーンの静寂には胸を打たれました。
占いを信じる人も信じない人も、組織のリーダーとして、あるいは一人の人間として「引き際と領分」を考えさせられる、学びのノンフィクション。
読み始めると「この強烈な個人の歴史をもっと覗いてみたい」と思えるエッセイの行方に、期待と畏怖が止まりません!
皆さんは五黄の寅って知ってますか?
私はこのエッセイで初めて知ったんですが、要するに「最強の運勢なんだけどジェットコースターみたいに吉凶がやって来る」運勢なんだそうです。
え、もっと詳しく説明しろ。いや、そういう方はこのエッセイ読んでね(説明能力の無さを必死に誤魔化しつつ)。
この五黄の寅の運勢の下に生まれた作者さんが、運命の波に翻弄されながら強く生きてきた姿がここにあります。
クライマックスは昨年夏頃に起こった全国ニュースレベルの不祥事に巻き込まれ、職場の従業員達の雇用を守るために奔走するところ。
運勢最強なんじゃなかったのかい!と言いたくなりますが、山高ければ谷深しなのがこの運勢なんですよね。
さてさて、そんな運勢のジェットコースターに立ち向かった作者さんの今の姿はぜひこのエッセイでお確かめください。