ドラゴンと囲炉裏端で。

櫻庭ぬる

プロローグ

「どうしてこうなったんだっけ……」



囲炉裏の火にあたりながら、わたしは誰にともなくつぶやいた。


季節は晩秋。

ぱちぱちと火の爆ぜる音が心地よい。


わたしの横では、座布団の上で、猫ほどの大きさの白いドラゴンが、翼をたたんですやすやと眠っている。



ここは街からは遠く離れた、ある集落の古民家。


数時間前まで、わたしは確かに街なかにいた。

そこで、田舎とも、古民家とも、そしてドラゴンともまったく無縁の、ほぼ“人と関わらない暮らし”を謳歌していたのだ。



本当に、どうしてこうなったのだろうか。


思い返せば、すべての始まりは今朝、友人の新島がエミューの卵を持ってきたことだった。

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