ただただ、私の話を聞いてくれる恭介さん

「一度でいいから、高校生みたいに手を繋ぐだけでドキドキするような恋がしたい」

36歳、独身、派遣社員の明日香。
3年付き合った彼氏に「結婚する気はない」と振られ、自分は単なる『体の関係だけ』だったと思い知らされた夜。明日香はバーの片隅で、見知らぬイケメン・恭介にそんな泣き言をこぼした。

どん底の自分を救ってくれたのは、彼が差し出した、温かくて大きな手。

始まったのは、奇妙な「お泊まり」の日々。 恭介は、明日香が望んだ通りに名前を呼び、朝ごはんを作り、人混みで優しく手を繋いでくれる。 けれど、どんなに明日香が求めても、彼は決して彼女を抱こうとはしなかった。

「抱かないのは、君が自分を好きになるまで。……俺は、君の『誠意』になりたいんだ」

欲望よりも深い、彼のストイックな愛。 傷つい…続きを読む