少年の左目で見る短い夢

少年が左目で見るのは、和風の御伽噺が好きな人にはたまらない世界観の景色。
でもただ見えているだけではなくて、その目は何か良くないものを招こうとしている。そんな折に少年は左目で見た青年と言葉を交わすようになり、何かが始まりそうな予感が漂います。

ですが、物語はここでおしまい。少年が左目を使って何かしていくわけでもなく、それが招く良くないものから逃げ続けるでもなく、遠い過去にいる青年とのやり取りも全て突然終わる。
それでも物足りなさはありません。むしろこれで良かったのだと思えます。全ては少年の左目が見せた短い夢なのだと、不思議な余韻に浸れるお話です。

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