そこで触れたのは、知らなかったぬくもりと、新しい季節の気配

静かな雪景色の奥から、やわらかに心をつかみにくる物語です。レニの無垢さと、冬の女神という圧倒的な存在が同じ身体に宿る構図は幻想的でありながら、どこか可愛らしさも感じさせます。

閉ざされた世界しか知らなかったレニが、外の空気、人のぬくもり、胸に芽ばえる小さな感情に触れていく描写は、とても丁寧であたたかく、読んでいる側もそっと寄り添いたくなります。

レニが「どう生きたいか」を探しはじめる姿に、静かに背中を押されるような作品です。

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